原文入力:2009-07-01午後02:20:15
数千万ウォンの施設費 無駄にして商品は投売りしなければ
資金力武器に中小商人の生計基盤 威嚇
チョン・セラ記者
全北,益山市,於陽洞でスーパーを経営するイ・グンナム氏は「ホームプラス スーパーが入ってくるので店施設を原状復帰させ空けてくれという通知を受け破産危機に陥った」と話した。
押し寄せる企業型スーパー、崖っぷちに立たされた商人たち
イ・グンナム(53・全北,益山市,於陽洞)氏は怒りで目の縁をきらりと光らせながらも、すぐに限りない無気力に陥る。彼は破産を目前にしたスーパーの主人だ。精肉・魚コーナーなどが別に入店しているイ氏のスーパーは330㎡(100坪)の大きさで、はた目には華やかだ。だがイ氏は2週間前から破産相談を受けている。4ケ月前建物主の円光中央信協から‘ホームプラス エクスプレス’スーパーを入れるから6月末までに店を空けろという通知を受けたためだ。
イ氏は「保証金3000万ウォンに家賃550万ウォンで商売をしてきたが、ホームプラス側が億台の保証金と2倍近い家賃を提示したと聞いたよ」として「私には対応する方法がない」と話した。信協側は「ホームプラスに賃貸をすると暫定約定を結んだ状態」として「ホームプラスが入ってくれば建物を売りやすいという利点もある」と話す。
イ氏のスーパー経営はあっという間に壊れた。破産を予感した野菜・青果入店商人は一日で物を抜いて出て行ってしまった。物を供給してくれた取引先はもう現金でなければイ氏を相手にしてくれない。お客さんは買う物がなくて次々途絶えている。
イ氏は2002年6月から7年間、ずっと朝7時から夜11時まで商売をしたといった。1日5時間以上寝てみたことがない。5年前からは早期留学に出した息子と妻に生活費の大部分を送って掌ほどのワンルームで‘一人暮らしの父’として暮らしてきた。「私の子供にだけはうんざりするような商売をやらせたくない」という切実な希望のためだった。
彼は今のスーパーを引き継いで人生をかけた。スーパーを改善補修するのに4500万ウォンを投資した。商品も帳簿価で1億2000万ウォンにはなる。だが好い時期は少しの間だった。大都市を中心に広まった大型マートは益山にも雨後の筍のように入ってきた。売り上げは一日700万ウォンから300万ウォンに落ち、借金をふやした。自暴自棄になった今は一日の売り上げが170万ウォン水準だ。
この前までは施設費と権利金を払うからスーパーを売れという人もいた。だが店を渡せば2億余りの借金は返せても手ぶらで失業者になるしかない。そこで息子の教育を終える時まで持ちこたえることにした。だが今の状況は弱り目にたたり目だ。店を引受者に渡す代わりに、ホームプラスに事実上奪われるようになった。数千万ウォンをかけた施設は取り壊して古物処理をしなければならず、商品の相当数は‘バーゲン処理’をしなければならない。手ぶらの失業者ではなく破産した信用不良者になる境遇だ。
仁川市,玉蓮洞のアパート団地の前で33㎡(10坪)の雑貨屋を営むチェ・ミソン(47)氏夫婦も大企業スーパーのために借金だけを背負って廃業する危機に瀕した。チェ氏夫婦は3年前に借金3000万ウォンをして権利金7000万ウォンを払いスーパーを取得した。保証金3000万ウォンに家賃160万ウォンで始めた店は3人家族がやっと暮らしていける程度にはなった。だが道の向かい側にホームプラス スーパーの工事が突然始まった。打撃は大きかった。近隣スーパー8ヶ所の中で5ヶ所が不動産に店を出した。しかしバカでない限りホームプラス スーパーの向い側の雑貨屋に権利金7000万ウォンを払って入ってくる人はいない。チェ氏は「持っていたお金、数千万ウォンに借金3000万ウォンを加えて創業したが、今は借金だけが残ることになった」として「それでも集めた財産も使い果たしたのでどうすれば良いか分からない」と話した。
これらのような破産と廃業に対する不安は中小商人と零細自営業者らに広範囲に広がっている。大企業がスーパー店舗数を年間2倍も増やすなど出展競争を行い、不動産用役業者を動員し中小商人の生計根拠地をかき回していくせいだ。建物主に家賃を大幅に上げてやり既存商人の再契約を遮り‘大企業スーパーが周辺に入ればどうせ滅びる’として店を売れとの威嚇もする。一般スーパーに物を供給する卸売商のパク・テウ(49)氏は「150ヶ所のスーパー取引先が5年間に60~70ヶ所に減り、私たちも打撃が大きい」として「取引先スーパー1ヶ所も大企業が建物主人に接触しているという話を聞いて夜もおちおち眠れない」と伝えた。
キム・ギョンベ韓国スーパーマーケット協同組合連合会会長は「最近大企業が競争的に伺っている330~1000㎡(約100~300坪)の売り場を持った中小マート経営者らの不安が深刻だ」として「大企業がこのような形で中小マートを滅ぼしてゆけば、そこに入店した零細商人や物を供給してきた卸売業者まで続々と被害を受ける」と話した。
中小商人興し全国ネットワーク カン・ジヒョン事務局長は「イ・ミョンバク大統領は路地商圏破壊問題を‘法ではできない懸案’と言ったが、現在の横暴を見れば‘法でなくてはできない状況’」として「大企業スーパーを合理的に規制する法的方法を探さなければ連続する破産・廃業で社会的費用が途方もなく大きくなるだろう」と話した。
益山・仁川/文・写真チョン・セラ記者seraj@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/363327.html 訳J.S