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ILO、世界の男女賃金格差は今後70年間続く

登録:2015-03-07 09:34 修正:2015-03-08 07:14
「世界女性の日」を前にILOが報告書
 女性は男性の77%…20年間で3%だけ上昇
 子供がいる女性はいない女性より低賃金
 就職率格差は変わらないが出産休暇は進展
世界の男女賃金格差。国際労働機構(ILO)報告書。ハンギョレ新聞社

 今のように男女の賃金格差がゆっくり縮まっていく場合、今後71年間は性別の賃金格差は解消されないとする警告が出された。

 8日の世界女性の日に合わせ国連国際労働機構(ILO)は、職場での性差別が相変らず深刻であることを示す報告書を5日発表した。同報告書によると、全世界の女性は平均して男性賃金の約77%ほどを得ている。20年前のわずか3%ポイント上がった数値だ。こうした傾向が続けば両性の賃金平等が2086年以前に実現することはないと分析された。

 国際労働機構は女性の「母性賃金格差」に関する報告書も一緒に公開。子供がいる女性がいない女性より少ない賃金を得るケースが多いとする内容となっている。女性は出産と共に経歴断絶を体験したりパートタイムに切り替えるなど、育児と仕事を並行できる職場を探すことが多く、結果的に低賃金職種に従事する可能性が高くなる。同時に差別や女性の仕事に対する軽視、育児休職に対する各国政府の政策、労働権なども影響を及ぼすと国際労働機構の経済学者クリスティーン・ソベクが分析した。また、米マサチューセッツ大が発表した2010年の報告書によると 子供がいる米国の男性はいない男性より約11%ほど高い賃金を得ていることが明らかになった。

 同報告書はさらに、過去20年間で男女の就職率格差の変動は大きくなかったと指摘した。1995年に北京で189カ国政府が参加し「女性宣言」が出されて以降、現在まで男女就職率の格差は1%しか減っていない。今日、全世界の77%の男性が就職をしているのに対し、女性は50%しか職場に通っていない。男性の80%、女性の52%が職業を持っていた1996年の状況とそれほど大きな進展はなかった。

 国際労働機構はまた、全女性の35%が「セクハラや暴力にあって職場での仕事に影響を受けている」と指摘した。英ガーディアン紙は全世界の約7億人の女性がセクハラや暴力に苦しめられていると伝えた。

 道のりは遠いが成果がないわけはない。国際労働機構は出産休暇の拡散には進展があると発表した。出産休暇制度を備えた国家が1995年の38%から現在は51%に増加した。男性出産休暇制度を導入した国家も20年前の28%から56%に大きく増えている。だが、相変らず世界の女性の41%は出産休暇など母性保護制度を保証されずにいることが明らかになった。

 一方、経済協力開発機構(OECD)が5日出した報告書では、性別賃金格差に対し少し違った分析が示されている。先進国で女性が男性より平均15%少ない賃金を得ていると分析したうえで、その理由を「職業選択の差」に求めた。アンドゥレアス・シューライハーOECD教育局長は、現代社会における性別賃金格差は男女が「同じ仕事をして別の賃金」を得る状況のためではなく、「男女が違う職種を選択するため」だと分析した。特に、最も賃金が高い科学技術、エンジニアリング、数学分野に進出する女性が少ないためだと主張した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.06 20:47

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/681205.html 訳Y.B

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