元役員にまで電話
「もしや接触チャンネルないか」と尋ね
政府は“三星の顔色伺う”雰囲気
議員は「負担があまりに大きい」
新政治連合幹事も“不参加”
“三星特恵”論議の絡む保険業法を改定しようという法律案(以下、改正案)が去る7日に発議されるや、三星(サムスン)グループが、国会と政府を相手に激しいロビー活動を展開していることが明らかになった。政府と国会では“三星の顔色を伺う”雰囲気が感知されている。
■ 三星、「非常事態だ」
三星グループ全体の戦略を統括する未来戦略室は、公式的には改正案に対する立場を明らかにしていない。「三星生命が対応する事案だ。グループとは関係がない」ということだ。しかし、実際の動きは違う。未来戦略室を中心にいくつもの系列会社の役職員が国会・政府を相手にロビーに乗り出している。三星金融系列会社のある元役員は「三星の系列会社が全方位的に動員されている。元職の私にまで現職の後輩たちが電話してきて、もしや(国会や政府に)接触できるチャンネルがないか尋ねていた」と述べた。ある三星グループ系列会社の役員は「非常事態だ」と言った。
改正案発議を主導したイ・ジョンゴル議員(新政治民主連合)側では「共同発議要請のために他の議員室を訪問していると、僅か30分後には三星グループ側から電話が入った」と伝えた。ある金融当局高位関係者は「法案発議後一時間も経たないで、三星勤務の知人が電話をかけてきた」と述べた。4大グループのある官僚担当役員は「全国経済人連合会(全経連)など外郭組職を動員する案も三星が検討中と聞いている」として、「未来戦略室が前面に立つ形は取らないだろう」と耳打ちした。
■ 政府は国会に押し付け
政府は「原則的には時価評価制が正しい」という態度を見せている。金融委の核心関係者は「改正案の趣旨そのものを無視するのは難しい。 保険業だけが資産運用比率規制基準が取得原価になっていること自体を正当化する論理は正しくない」と述べた。他の金融当局高位関係者も「三星側に“今回の問題では少なくとも(三星の)肩を持つことはできない”と伝えた」と話した。
しかし、政府が今回の事案に積極的に乗り出すという意味ではない。ある金融委関係者は「法律の改正案が国会で発議されたのだから、重要なのは与野党間の論議事項ではないか」と言った。ボールを国会に押し付けようという意味だ。保険業に対する監督責任を負っている金融監督院も「監督規定を直す問題は金融委の所管」として一歩退いている。
■ 国会は様子見
今回の改正案発議には、イ議員など計14人の野党議員が参加した。しかし、当初共同発議要請を受けた議員室はもっと多かった。このうち新政治連合のJ、O議員ともう一人のO議員は「負担があまりに大きい」、「(法案を)検討する時間がない」などの理由で共同発議要請を拒否したことが確認された。 国会政務委 法案審査小委所属の野党幹事であるキム・ヨンジュ議員(新政治連合)も参加しなかった。 改正案に消極的な議員たちは、改正案論議を最大限後回しにするという態度を見せている。 法案発議に参加していない政務委所属のある議員室関係者は「今処理しなければならない案件が目白押しだ。保険業法改正案の論議開始は早くて9月国会ではないか」と述べた。
キム・ギョンナク、ファン・ボヨン記者 sp96@hani.co.kr