10年間で9万件余り違反…産業用電力が高いと言ったが‘自己矛盾’
企業らが料金の安い産業用電力を研究施設・事務室・ゴルフ場などでこっそり使い続けていたことが明らかになった。 三星(サムスン)電子やLGディスプレイのような大企業も多数摘発された。 財界は産業用電力が高いとし、料金の引き上げに強く反対しているが、産業用電力がどれほど安く供給されてきたかを企業ら自らが見せた格好だ。
22日<ハンギョレ>とキム・ジェナム議員(正義党)が韓国電力公社から入手した資料を見れば、2004年から今年8月まで電気を料金水準により定められた用途以外に使い続けた違反事例が9万3091件に達し、これに伴う違約金が1571億ウォンに達する。 違約金は不当転用で少なく納めた料金の２倍を負担させることになっている。 2004年8367件(違約金32億6100万ウォン)だった電力不当転用事例は、2010年1万4874件(430億2100万ウォン)に急増し、2011年には1万2113件、2012年には1万1188件を記録した。
このような行為は用途別電気料金に差が大きいために生じたと分析される。 昨年基準で販売単価を見れば、kWh当たり住宅用は123.7ウォン、一般用は112.5ウォンだ。 これに対し教育用(108.8ウォン),産業用(92.8ウォン),農作業用(42.9ウォン)等は相対的に安い。
同じ期間に一般用電力を使わなければならない施設で産業用電力を使って摘発された事例は2493件(違約金346億ウォン)に達する。 企業らが電気料金を不正手段で少なく納めて首根っこをつかまれたケースが大部分だ。 産業用電力は製造業や鉱業などの生産設備に使うことになっている。 10年前には200件(2004年)にとどまっていた産業用電力の不当転用事例は2011年に457件に増え、今年も8月までに既に208件が摘発された。
主な大企業の中では三星グループが系列会社6ヶ所で最も多かった。 三星電子と三星SDIは産業用電力を研究・開発施設に使い違約金を払った。 三星トータル、第一毛織、三星電気、三星重工業なども産業用電力を転用して引っかかった企業名簿に名を上げた。 三星系列会社６社に賦課された違約金は計291億587万ウォンだ。
LGディスプレイは職員用の寮に産業用電力を使って摘発され、違約金(3199万ウォン)を賦課され、CJ建設は京畿道(キョンギド)驪州(ヨジュ)にあるゴルフ場に水をやる過程で産業用電力を調達した。 また、イーランドワールド(5490万ウォン)とインターパーク(4556万ウォン),起亜自動車(814万ウォン),SNT大宇(398万ウォン),新世界建設(185万ウォン)等も物流施設とゴルフ場・部品倉庫などで無断で産業用電力を使い引っかかった。
キム・ジェナム議員は「三星など主要大企業がすでに原価以下の産業用電力で莫大な恩恵を得ているににも関わらず、一般用電力を使わなければならない所にまで産業用電力を使って再び数百億ウォン台の利益を得ようとした。 用途別電力料金を現実化させ、歪曲された価格体系を改編しなければならない」と話した。 遅くとも来月中と発表されている政府の電気料金値上げ案を巡って、産業用の中で特に過度に低い軽負荷時間帯(午後11時～翌日午前9時)の販売単価(kWh当たり61.8ウォン)を上げなければならないという指摘が出ているが、財界はすでに産業用電力料金が十分に高い水準だとして反対している。
同じように料金の安い農作業用と教育用電力が不当に使われることもしばしば起きている。 韓国農水産食品流通公社が輸入米を保管する倉庫で農作業用電力を使い、支払った違約金だけで15億ウォンを上回る。 輸入米保管施設には一般用電力料金が適用される。 また、慶北(キョンブク)漆谷(チルゴク)のヨンジン教育財団は一般人対象の英語の村を運営するために教育用電力を使ったし、忠北(チュンブク)清原(チョンウォン)にある空軍士官学校は教育用電力をゴルフ場に繋いで使って摘発された。 ファン・ボヨン記者 whynot＠hani.co.kr
訳J.S(1877字)
