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ゴールドマンサックス アルミニウム 買い占めまで…

登録:2013-07-22 22:13 修正:2013-07-23 00:37
‘ウォール街の貪欲’国際原材料価格 歪曲

米国使用量の25%保管できる倉庫買収
市場に出さず倉庫だけすり替え
積んで置いて金を儲け、価格が上がればまた稼ぐ
規制権を持つLMEもウォール街の手中に

ウォール街、原材料保管・運送業へ進出
情報利用して投資で収益最大化

 米国、デトロイトにある27ヶ所のアルミニウム保管倉庫では毎日奇妙なことが起きている。 各倉庫にあるアルミニウム塊をトラックを利用してそれぞれ他の倉庫に移動させているのだ。 例えば1番倉庫のアルミニウムの一部が2番倉庫へ、2番倉庫にあるものが1番倉庫に行くという形だ。 毎日動く物量の90%ほどが顧客ではなく、他の倉庫へ向かっている。 今年初めまで倉庫で仕事をしていたリフト車運転手タイラー クレーは物が巡り巡っているという意味で、これを "回転木馬金属" と呼んだ。

 こうしたことがなぜ起きるのだろうか。 米国<ニューヨーク タイムズ>は21日ウォール街の代表的投資銀行であるゴールドマンサックスの‘巧妙な操作’に答があると報道した。

 ゴールドマンサックスは3年前、この保管倉庫の会社である‘メトロ インターナショナル トレード サービス’を買収した。 市場で取り引きされる米国アルミニウムの4分の1に相当する量がこの会社のデトロイト倉庫に保管されているほど規模が大きい。 ゴールドマンサックスは倉庫にあるアルミニウムを飲料水・自動車・電子会社など、これを必要とする顧客にできるだけ早く引き渡そうとするよりは、‘倉庫すり替え’という方式を通じて規制を避けながら保管期間を延長しようと努めた。 保管倉庫は毎日少なくとも3000トンの量を放出するよう規定されているが、このような方式で避けているということだ。

 ゴールドマンサックスに買収される前は、この保管倉庫が顧客の注文を受けて工場まで引き渡す期間は6週間しかかからなかった。 しかし今は16ヶ月以上かかっている。 このような事業形態で保管倉庫に保管されているアルミニウムの量は2008年の5万トンから2010年には85万トン、今年は147万トンへ急増した。

 これによりゴールドマンサックスは莫大な利益を得ている反面、顧客と一般消費者が賄わなければならない費用は大幅に増加した。 トン当たり保管費用は一日48セントだが、これを集めれば途方もない規模になる。 <ニューヨーク タイムズ>は「ゴールドマンサックスはこの保管倉庫を5億5000万ドルで買ったが、保管費で稼いだ金だけで毎年約2億5000万ドルに達するだろう」と分析した。

 そのうえ、アルミニウムが市場に適時に供給されないことにより割り増し料が急騰した。 アルミニウム価格に付加される割り増し料は、2010年以後2倍程暴騰したが、業界ではゴールドマンサックス保管倉庫の引き渡し遅延を主な原因と見ている。 これによってアルミニウム16㎏(飲料缶1000個を製造できる量)に約2ドルの追加費用が生まれる効果が発生した。 これは結局、飲料を買って飲む消費者のポケットから充当される。

 ゴールドマンサックスがこのような商法を働かせているにも関わらず、規制当局はほとんど手をこまぬいている。 これは事実上、規制当局が投資銀行に‘捕獲’されている構造のせいだ。 全世界の金属倉庫を規制する所は‘ロンドン金属取引所’(LME)だ。 ところが、そこは保管倉庫が稼ぐ保管費の1%を会費として受け取っている。 また、この取引所の所有主は昨年までゴールドマンサックス・シティグループなどウォール街の銀行だった。 問題が深刻化するやコカコーラをはじめとするメーカーは2011年から異議を提起したが、規制当局は各保管倉庫で毎日放出しなければならないアルミニウム量を最小1500トンから3000トンに増やしただけだ。

 <ニューヨーク タイムズ>は "ウォール街の銀行がアルミニウムだけでなく原油・小麦・綿花・コーヒーなど商品市場の保管・運送などインフラ施設を所有して、巧妙な方式で数十億ドルの収益を上げていて、関連商品に関する情報取得にも有利で金融市場でも利益を稼いでいる」と指摘した。 ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/globaleconomy/596718.html 韓国語原文入力:2013/07/22 21:32
訳J.S(1881字)

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