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[99%の経済] ‘フェミニズムの旗’医療生協医院が誕生…ここには‘3分診療’ありません

原文入力:2012/08/30 19:32(1341字)

←左からサルリム(暮らし)医院のイ・セウォン看護師、チュ・ヘイン院長、そしてサルリム医療生協組合員たち
 
ソウル、駅村洞(ヨクチョンドン)に組合員 700人
3億7千万ウォン集めて無借金で出発
‘私の病院’で医師とおしゃべりできそうだ

 ‘女性主義’(フェミニズム)の旗を掲げた医療生協医院が初めて誕生した。 ソウル、恩平区(ウンピョング)、駅村洞(ヨクチョンドン)、亀山(クサン)駅付近のビルにあり、去る20日初診療を始めた‘サルリム医院’だ。

 チュ・ヘイン(34)院長は 「初めは20~30代の非婚女性主義者が集まって女性主義医療共同体を夢見たが、だんだん地域健康共同体をつくりあげることが女性主義の実践だという考えを持つようになった」と話した。 サルリム医院を運営するサルリム医療生活協同組合の組合員は700人余り。 女性主義の範疇を地域住民たちに広げたことで、組合員がどんどん増えた。 今後、歯科も開院する計画だ。

 夢を見て、同意を集めて、実行に移すところまで4年の期間がかかった。 菜園育て運動のような小サークルを先に作った。 病気になる前に健康を守って暮らしを変えるための地域健康共同体の実践をしたわけだ。

 診療科目は家庭医学科だ。 住民が自ら作っていく町内病院という医療生協精神そのままに‘地域の主治医’を実践する。 組合員ならば子供から老人まで老若男女誰でも簡単に健康相談と治療を受け、ホルモン療法、予防接種はもちろん癌検診も可能だ。

 一日10~30人の患者が訪れるこちらには‘3分診療’というものもない。 医療スタッフは患者を臆させない。 患者は‘私の病院’で医師とおしゃべりするように質問して詳しい説明を聞く。 医師は抗生剤を無条件に使わないのではなく‘正しく’使うことが重要だという点、少しからだが良くなってもむやみに薬をやめてはいけない理由も説明する。 個人別‘オーダーメード診療’も可能だ。 既存病院では簡単に打ち明けられない健康上の秘密や心配もここでは自然に話が行き来する時が多い。

 このような診療が可能だったのは病院設立時に収益創出から自由な構造を作ったためだ。 組合員が集めた出資金は3億7000万ウォン、借金は一銭もない。 大金持ちでなくては韓国社会でほとんど不可能なことだ。 チュ院長は 「必須診療をする病院・医院は個人が投資して病院を建て、借金を返すために収益を創り出さなければならない歪曲された構造」として「病院が失敗すれば患者のすべての記録と病歴管理がなくなる」と話した。 病院が元金と利子償還の負担から自由ならば、思慮深い相談と診療が可能だということだ。 サルリム医院は来月8日に開院式を行う。 (サルリム医療生協 salimhealthcoop.or.kr)

イ・ユジン記者 frog@hani.co.kr, 写真 サルリム医療生協 提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/549489.html 訳J.S