本文に移動
全体  > 経済

‘延滞率 非常灯’ 銀行圏 尋常でない

原文入力:2009-03-18午後11:01:53
中小企業貸し出し 延滞率2.67%…4年ぶりに最高
来月 構造調整 本格化すれば 貸し倒れ引当金巨額上積み
利子収益は減少…庶民には銀行の敷居高まるもよう

キム・ギョンナク記者

←‘延滞率非常灯’銀行券尋常でない

銀行圏の貸し出し延滞率が急騰している。景気低迷速度が急になったためで、銀行と利用者すべてにとって骨の折れる一年を予告する信号だ。延滞率急騰に加えて市中金利の下落により銀行の利子部門の収益は大幅に減っている。利益展望もますます暗くなっている。延滞率管理が非常事態になった銀行の立場を考慮すれば、低い信用等級の中小企業や家計にとっては銀行の敷居がより一層高まるものと見られる。
金融監督院が18日発表した国内銀行の延滞率現況によれば、2月末現在の国内銀行の韓国ウォン貸し出し延滞率は1.67%となった。1年前に比べ0.66%ポイント,昨年末よりは0.59%ポイントの急騰だ。

中小企業貸し出しの延滞が最も目立った。中企貸し出し延滞率は2月末現在2.67%で、1年前より何と1.27%ポイントも高まった。2005年5月以後、3年9ヶ月ぶりに最高水準だ。家計貸出延滞率は0.89%で比較的低かった。

銀行が金融当局の勧告により中企貸し出しの満期を大部分延長している状況を考慮すれば、実質的な延滞率は表面的な統計値よりはるかに高いものと見なされる。銀行は延滞率管理と中小企業支援の観点から満期延長ばかりでなく新規与信提供もしている。ある都市銀行与信担当者は「銀行健全性に対する憂慮が大きくなり無理と思えるほどに延滞率鎮静に出ている」として「それほど耐え難い貸し出し不健全化が進行しているということ」と打ち明けた。

延滞率上昇は銀行純益に直ちに影響を及ぼす。銀行法と関連規定により延滞期間などを考慮し債権健全性分類をしなおさなければならず、それに応じて引当金を積まなければならないためだ。引当金は貸付金が貸し倒れになることに備えあらかじめ積む資金であり、会計上は純益減少要因だ。

中企貸し出しの延滞率急騰の知らせには金融当局もアッと驚いた反応を見せた。キム・ジョンチャン金融監督院長はこの日の記者懇談会で「昨年末に今年度成長率を約3%と予想し中企貸し出し目標額を50兆ウォンと捉えたが、今は資金需要自体が減っている」として「銀行も健全性を良く調べて貸し出ししなければならない」として速度調節を強調した。

貸し出し延滞が銀行純益を徐々に蚕食する要素とすれば、構造調整は塊でちぎって食べる。銀行圏が構造調整に消極的に立ち向かう理由でもある。来る4月から本軌道に上がる建設業,造船業,海運業体と44ヶの系列社に対する信用危険評価などを考慮する時、銀行の貸し倒れ費用はより一層増加するものと見られる。

去る1月に断行された112ヶの建設・造船会社に対する1次構造調整過程だけで銀行圏は計1兆2千億ウォンの引当金を積まなければならなかった。昨年の銀行全体純益(7兆9千億ウォン)の15.2%に達する規模だ。ホン・ホンピョ ユジン投資証券アナリストは「最近数年間に銀行は企業貸し出しを毎年20%ずつ伸ばしてきた」として「特に建設業など近い将来に本格化する構造調整対象企業に対する与信が大きいために銀行の引当金負担は大きく増えるだろう」と話した。

純益を切り取る要因はあふれ出るが、これを相殺させる余地は順次狭くなっている。昨年国内銀行らが10兆ウォンの引当金を積み増しても8兆ウォンの利益を出したのは、金融危機渦中で市中金利が暴騰したことによって、利子部門で何と34兆ウォンの利益をおさめたおかげだった。今年はこれを期待するのが難しい実情だ。預貸マージンで主に発生する利子収益が市中金利下落時は減ることになる。貸し出し商品の70~80%が市場金利に連動するように設計されているためだ。一部専門家たちの間では今年2分期までの銀行の純利子マージン率(NIM)が史上最低水準の1%中後半台まで下がるだろうという推定も出ている。

ソ・ヨンス キウム証券アナリストは「貸出金利が相変らず高いという非難世論があるが、今後は銀行圏がこういう世論に耳を傾ける余裕がない」として「加算金利調整など適正マージン確保に総力をつくす姿が現れるだろう」と展望した。銀行圏が今後、貸出金利を高め優良顧客確保にのみ注力し、庶民と中小企業の銀行利用がより一層難しくなるだろうという説明だ。

キム・ギョンナク記者sp96@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/344923.html 訳J.S