原文入力:2012/02/14 20:43(2179字)
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三星家20年ぶりに相続紛争
イ・メンヒ氏、昨年6月確認後
借名財産 相続分 請求準備
訴訟時効が最大争点となる模様
三星・CJ ‘個人訴訟’として距離を置く
訴訟が続けば‘イ・ゴンヒ ジレンマ’
故イ・ビョンチョル三星グループ会長の子供の遺産争いは、イ会長が亡くなって20年が過ぎた時点で火がついたという点で異例的だ。 訴訟を起こしたイ・ビョンチョル会長の長男イ・メンヒ氏の息子イ・ジェヒョン氏が会長を務めるCJグループや三星グループ共に慌てるそぶりが歴然だ。 反面、財界と市民団体では今回の訴訟の出発点となった2008年‘三星秘密資金特検’時から予想されたことという見解が多い。 合わせて今回の訴訟がどのように進行されるかにより三星グループの現支配構造が大きく揺らぐこともありうるという指摘が多い。
■なぜ突然に?
2008年4月、三星特検は三星グループ前・現職役員486人の借名口座1199個で管理されていたイ・ゴンヒ会長の借名財産中、系列会社の株式が4兆1009億ウォンに及ぶと明らかにした。三星生命の持分20.76%をはじめとして、三星電子・三星物産など7ヶの会社の株式だった。 イ会長は特検捜査で明らかになった借名株式を以後に全て実名化した。この時、すでにイ・ビョンチョル会長の遺産であると特検が明らかにした部分を巡って遺産相続争いが起きるという展望が出てきた。 特に特検で明らかになった財産は、イ・ビョンチョル会長の遺言状にもなかったことが分かった。
当時、財界ではイ・ゴンヒ会長の姉の内の1人が訴訟に乗り出すだろうという予想が多かった。 幼い年齢で嫁に行き、相続対象から除外されたことに不満を抱いている上に、隠されていた遺産が出てきたので自分の持分を要求するだろうという展望だった。ある財界関係者は「(イ・ゴンヒ会長の姉が)国税庁に借名財産関連課税内訳を要求していたと理解している」と話した。当時にも三星グループ側はイ・メンヒ氏側の動きに最も多く神経を使ったことが分かった。 長男であるイ・メンヒ氏の相続分割比率が最も高く、負担がより一層大きくなるためだ。
うわさとして出回った遺産争いがイ・メンヒ氏の訴訟で表面化した。イ・メンヒ氏は昨年6月、イ・ビョンチョル会長が残した三星生命借名財産があるという事実を知った後、請求訴訟が可能かを把握してきたと知られた。彼が出した訴状を見れば、昨年6月イ・ゴンヒ会長側から先に‘相続財産分割関連疎明’文書を提示しながら「実名転換した借名財産に対して相続持分問題を提起することはできない」ことに同意して欲しいと要求し、イ・メンヒ氏側は署名捺印をせずに法務法人を動員し訴訟手続きを進めた。三星は相続分請求訴訟の時効が過ぎたと主張したが、イ・メンヒ氏側は三星生命の株式名義変更時点が12月という点を挙げて反論した。
■どうなるのか?
三星とCJグループは「民事訴訟なのでグループが関与することではない」という公式立場を出したが、波紋が大きくなる兆しを見せるや鎮火に乗り出した。三星グループ関係者は「ハプニングであるようだ」と話し、CJ関係者は 「当事者ではないが訴訟取下げを含めて円満に解決されるよう努力する」と明らかにした。しかも最近は財閥改革世論が強い状況であり財閥家の遺産争いは負担にならざるをえない。 しかしイ・メンヒ氏が最近数年間、外国で生活していて現在は中国に滞在しているだけでなくCJグループ経営に関与していないため、息子のイ・ジェヒョン会長や夫人のソン・ポンナムCJグループ顧問とも連絡していないことが分かり、CJや三星グループの仲裁が成功するかは未知数だ。
万一、訴訟が続くならばイ・ゴンヒ会長はジレンマに陥ることもありうる。 イ・メンヒ氏が勝訴して相続財産を返す状況も不適切な相続を主張してきたという点で負担になるが、それに続き3男5女の兄弟姉妹の残りの6人が相続財産分割訴訟を起こしてくれば資金負担も莫大になる。合わせて株式を返す過程でイ・ゴンヒ会長の三星生命保有持分が薄められ三星グループが電子-生命に分かれる可能性も排除できない。
イ・メンヒ氏が敗訴したとしても問題は残る。訴訟を控えて三星グループがイ・メンヒ氏に主張したように、イ・ビョンチョル会長の借名財産をイ・ゴンヒ会長が全て相続されたということを残りの兄弟が知っていたと言えば贈与税問題が台頭する恐れがある。 そうなればイ・ゴンヒ会長の兄弟は自身が相続を受けなければならない財産をイ・ゴンヒ会長に贈与した形になる。 イ・ジョンヒ統合進歩党議員は「兄弟がイ・ゴンヒ会長に遺産を贈与したと見られるのでイ・ゴンヒ会長が納付しなければならない贈与税額は2兆ウォンを越えると推定される」と話した。
キム・ジンチョル記者 nowhere@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/519016.html 訳J.S