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‘ジルム神(韓国で衝動買いを司ると言われる神)も驚いた’パワーブロガーの力

記事原文入力:2008-11-12 15:19:49

ブログ使用感想など広告顔負けの効果
企業“ブロガーを迎え入れろ”製品発表会招請
影響力大きくなり代価要求など副作用も

ユン・ヨンミ記者キム・ヨンヒ記者

景気低迷が厳しくなるほど消費はさらに頑固になる。‘価格’に見合って本当に必要なものなのかを問い詰める‘価値’消費が増える。その為こういう時期には製品供給者(生産者)より消費者の力が強くなる。最近、企業がブロガーマーケティング活用やプロシューマー(生産へ参加する消費者)らの意見反映に積極的な所以だ。

去る9月お目見えした乳児スキンケア製品‘ミュー’は、全く広告をしなかったにも関わらず発売一ヶ月で1次生産物量3千個が完売になり追加生産に入った。サンプルを使ってみた母親たちが6種類の化学添加物を入れなかったこの製品の長所を自分たちのブログに上げたことにより、うわさが広まったためだ。‘ミュー’ブランド・マネジャー ユ・ジンソン氏は「ブログでうわさを聞きつけデパート売り場で『‘無添加製品が出たと聞いたが商品があるか』と言う消費者が多い」とし,「今後、広告の代わりにブログ マーケティングを持続的に強めるだろう」と語った。

訪問者を数多く率いた‘パワーブロガー’こそ製品評と比較等を通して生産に影響を及ぼすという面で代表的なプロシューマーと言える。これらは製品企画段階でアイデアバンクの役割を果たし、製品発売直前には小欠陥を捕まえる役割をし、製品発売以後には主要機能に対するうわさ創出の役割を担う。製品生産から消費に至る全過程で‘マーケティング尖兵’の働きを正確にこなすわけだ。

これに伴い最適コスト・パフォーマンスのターゲット・マーケティング方法を求める企業らの間で、彼らを活用するブログ マーケティングが活発になっている。特にオンラインでの情報交流が重要な購買決定要因の位置を占めている電子・情報通信,食品,乳児関連産業などを中心にパワーブロガー達は企業の重要な‘マーケティング要員’となった。三星電子の場合去る4月発売されたHAPTICを始めSOUL,HAPTIC2(何れも最新型携帯電話)等に対してブログ マーケティングを行っている。選ばれたブロガーがレビューを作成すれば1件当たり10万~20万ウォン程度の原稿料を提供する。文章はブロガーが選定して書くものの文章を載せる前に三星電子が確認する方式で進行される。

デジタル携帯機器レビュー作家として名が知られたハン・ジフン(ブロガーラジオン)氏は「今年だけで20件余りの業者要請を受けて,レビューを行うなど、ますます依頼が増加している」とし,「有名ブロガーによる新しい商品紹介が出てくれば利用者とブロガーがコメントを直接やりとりするなど親密な関係が形成され、これは大型専門サイトでは与えられない信頼感につながるようだ」と語った。

パワーブロガー達の影響力が大きくなり、言論に劣らずパワーブロガーに気を遣う企業が増えた。新製品発表会に最近はブロガーと記者を一緒に招いたりブロガーだけのための製品発表会を別に開いたりもする。GMデウは先月29~31日済州道で次世代準中型自動車‘ラセティ プレミア’の試乗会を行い、記者たちと共にいわゆる‘ソーシャルメディア’ 50人余りを招請した。ソーシャルメディアはパワーブロガーをいう。GMデウのアン・チョルヒョン部長は「ブログ マーケティングを通じたうわさ広報は肯定的な世論を作る効果を計算してみた時、コストパフォーマンスが高い」とし、「個人間口頭広報戦略は最近注目される戦略のの一つ」と語った。

プロシューマー(*)たちの力は、最近では製品の設計を変えるほど強い。今年3月初、発売を控えて行ったエニーコール ドリーマーズ(Anycall Dreamers)会員たちのテストで、通話/終了ボタンを別に設置しなければならないという意見が強力に提起されると三星電子開発チームは激論の末にボタンを別に設置することにした。㈱フィデス開発が光州市五浦に建て来月入居する‘ウリムピリュゴールド135’アパートは‘プロシューマー団地’という名前を掲げた。このアパートは1千人余りに及ぶ顧客らの意見を設計に反映したのが特徴だ。台所そばの大型収納倉庫、駐車が不得手な女性のために一般駐車場より20㎝を広い幅2.5mの駐車区画などが用意されたのはそのためだ。

だが消費者と企業の密着が常にシナジー効果だけを出すとはいえない。特に行き過ぎたブログ マーケティング熱風のためにウェブを通じて自分の考えや主張、日常のあれこれを自由に表現するブログの本来目的を傷つけているという指摘もある。オンライン マーケティング業者エムポスのチョン・ジョンジン チーム長は「あるパワーブロガーは自分の書いた投稿がポスティングされた個数により契約金の他にインセンティブまで要求するという話を聞いた」として「企業から大きな報奨を受けるようになれば自由に文を書きづらくなる」と語った。

一日の訪問者数が1万7千~1万8千人のパワーブロガーである‘トゥンイマム’ムン・ソンシル氏はブロガーと企業が双方向コミュニケーション窓口というブログの属性を理解して接近してこそwin-win関係になれると強調する。ムン氏は「問題のある製品はブロガーが良い評価をしても消費者にすぐ分かってしまうのでブロガーの信頼は落ちる」とし「ブロガー達に自社製品の長所だけ書いて欲しいと言う企業もあるけれど、長い目で見れば消費者の声に本当に耳を傾けようとする姿勢を持ってこそ本当の効果を得ることができる」と語った。 ユン・ヨンミ,キム・ヨンヒ記者youngmi@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/321350.html

(*)プロシューマー
プロデューサー(Producer)あるいは専門家(Professional)とコンシューマー(Consumer)との合成語。生産的消費者または参加的消費者をいう。アルビン トフラーが1980年<第3の波>で初めて用いた。プロシューマーは既存消費者とは異なり生産活動の一部に直接参加するが、これは各種セルフサービスや,DIY(Do It Yourself)等を通じて現れてくる。彼らはまたインターネット サイトで自分が新しく購入した製品の長短所,買上価格などを他の人々と比較・批判することによって製品開発と流通過程に直間接的に参加する。
 
原文:
翻訳:J.S