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韓国の非正規職…フィリピンの零細下請け…‘アジア不安定労働’初の国際的研究

チェ・ウォンヒョン記者(1544字)

登録:2011/07/19 20:29
韓・米・日など10ヶ国社会学者
中央大学で3日間 ワークショップ開き
"実態分析後 対応方案 摸索"

←米国ノースカロライナ大学 アニー カリバーグ(写真左側)教授とシン・グァンヨン(右側)中央大教授

1970年代から始まった資本主義の新自由主義的変化は全世界的に非公式労働、非正規労働など社会安全網から遠い‘不安定労働’の増加を産んだ。特に全世界的に産業構造の多様性が最も著しいアジアは不安定労働が最も活発に増加した地域に挙げられる。個人と家族、社会的次元で生活の持続可能性を害する不安定労働は全世界どこでも深刻な問題として台頭している。

こうした中、アジア9ヶ国の不安定労働実態を分析し対応方案を模索する国際的学術協議体がスタートした。中央大中央社会研究所は18日から3日間、米国とアジア9ヶ国の社会学者が参加する‘アジア不安定労働に対するワークショップ’を開いた。‘アジアでの不安定労働’を研究主題とした米国ノースカロライナ大学 アニー カリバーグ(写真左側)教授とケビン ヒュイスン教授の研究プロジェクトが、シン・グァンヨン(右側)中央大教授をはじめとして日本、台湾、中国、インド、スリランカ、フィリピン、インドネシア、タイなど実際アジア9ヶ国の社会学者らと連結され国際的共同研究に発展したのだ。

18日に会ったカリバーグ教授は「全世界的に増加してきた不安定労働は個人と家族、コミュニティに深刻な否定的影響を及ぼしているが、それに対して国際的単位ではまともに研究されたことがない」として不安定労働に対する国際的共同研究の必要性を語った。彼は「何よりも不安定労働が資本主義の構造的変化にともなう結果という点を認識して研究する必要性がある」と指摘した。国毎に不安定労働の現象を集計し、それに対して自ら政策的対応を広げてはいるものの、あまりにも破片化されているため不安定労働の全体的姿を見回すには力不足ということだ。

研究対象がアジア地域である理由もここにあるという。韓国と日本の場合、高度な産業成長を遂げ、労働契約に基づく非正規職が多い。しかし、フィリピンやインドネシアの場合には契約もなく統計にもよく捉えられない零細下請けなど非公式部門の不安定労働が多い。これに伴い、労働者と労働組合の社会的発言力量が異なり、国家が提供する社会安全網の範囲や形態も違う。カリバーグ教授は「実質的な変化を作り出すためには現象をより一層正確に把握しなければならない」と話した。

今回のワークショップを契機に彼らは先ず1年間、各国の不安定労働の共通点と差異点を明らかにする計画だ。来年2月に開く2次ワークショップではその結果を持ちより今後の研究方向に対してまた討論することになる。

カリバーグ教授は「私たちの研究は現実的に不公平な権力構造を変え、不安定労働を実質的に減らすことができる政策的なモデルを作り出すことに集中する」と話した。また 「力が弱まった伝統的労働運動をさらに広い社会運動として後押しすることが主要戦略になるだろう」とした。特に最近、我が国で起きた韓進重工業大量解雇事態とこれに対する市民の‘希望バス’企画をそれと類似した戦略として挙げた。シン・グァンヨン教授は「不安定労働に対する国際的水準の研究は今回が初めて」とし「どんな結果が出るか期待される」と話した。 文・写真 チェ・ウォンヒョン記者

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/488113.html 訳J.S