原文入力:2011/06/08 09:52(1256字)
クォン・ウンジュン記者
キム・ジュヨン韓国文学翻訳院長、広報誌から削除 指示
諮問委員の反発で次号に写真なしで小さく載せた
←キム・ジュヨン韓国文学翻訳院院長
キム・ジュヨン(写真・70)韓国文学翻訳院院長が韓国の本を海外に知らせるために発行している翻訳院発刊季刊誌に載せる予定だった故金大中前大統領自叙伝の紹介文を‘政治家の本’だという理由で掲載しないよう指示していたことがわかった。文化体育観光部傘下の公共機関である翻訳院は、韓国文学と文化を国外に知らせるために1996年に設立された。
7日、韓国文学翻訳院などによれば、翻訳院が発行する英語・中国語版季刊誌<リスト-ブックス フロム コリア> 2010年冬号に韓国のノンフィクション紹介記事の前書きで<金大中自叙伝>紹介文が本の表紙写真と共に2ページにわたり掲載される予定だったが、印刷直前にキム院長の指示により削除された。
この本を<リスト>に推薦した編集諮問委員は、その事実を昨年12月初めに本が発刊された後に知ることになった。一部諮問委員は翻訳院に抗議し、キム院長は彼らに「政治的・宗教的色彩のある本は紹介しないというのが翻訳院の規定」と説明した。これに対し諮問委員は「金前大統領は韓半島平和のための努力のよりノーベル賞を受けるほど世界的に知られた人物であり、政治家だからと紹介しないのは話にならない」と対抗した。諮問委員は「印刷直前に原稿を削除し委員らに知らせなかったことも問題とし<金大中自叙伝>紹介文を2011年春号に載せてくれ」と要求した。結局、去る3月に発行された<リスト>春号に<金大中自叙伝>紹介文は表紙写真なしで3分の2ページ分量で載せられた。春号に紹介された本100冊余りの中で、表紙写真なしで紹介された本は<金大中自叙伝>を含め 2冊だけだった。
←故金大中前大統領
キム院長は「数多くの政治家たちが本を出す状況で政治家の本を紹介すれば、継続的に要請を受けかねない」として「政界にまきこまれないための選択」と話した。また「<リスト>の編集権は諮問委員ではなく翻訳院にある」と強調した。キム院長は続けて「ノーベル賞受賞者という主張を受け入れ、春号に<金大中自叙伝>を紹介した」と明らかにした。<金大中自叙伝>写真が抜けたことに対しては「編集実務までは私が見ていない」と話した。キム院長は<文学と知性>創刊メンバーとして、淑明女子大教授を務めた著名な文学評論家だ。
昨年7月に出版された<金大中自叙伝>は今年、日本の岩波書店から翻訳出版され、中国人民大学出版部でも出版を控えている。国内では16万冊(8万セット)が売れた。クォン・ウンジュン記者 details@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/481719.html 訳J.S