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むずむず、皮膚病なのかと思ったところ・・・

原文入力:2011-02-13 午後07:48:21(1091字)

イ・ソンジュン、ハン・サンギュ 共同研究チーム
かゆみを感じる感覚細胞のせい

イ・グンヨン記者
   
←イ・ソンジュン ソウル大学大学院歯学部教授

国内研究陣が、かゆみを起こす原因物質と、この物質に反応する感覚神経細胞を発見して、アトピーなど、かゆみ治療剤開発に新しい道を開いた。

ソウル大学大学院歯学部のイ・ソンジュン教授と、アメリカ・カリフォルニア州立大学サンディエゴ校のハン・サンギュ教授の共同研究チームは、抗ウイルス機能を持った化合物の「イミキモド」という物質が、私たちの体の脊髄神経節にある特定感覚神経細胞を刺激して、脳にかゆみが伝えられる原理を明らかにした論 文を、 アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に掲載したと13日、明らかにした。

かゆみはありふれている経験だが、その感覚がどのように発生して、私たちがどのように認識することになるのかなどは、明確ではなかった。イ教授は「普通、皮膚疾患でかゆみが生じると知られているが、かゆみは感覚の一種で皮膚疾患と関係がなく発生されうる」と述べた。

研究チームは、イボや皮膚癌治療剤として使用される「イミキモド」が、感覚神経細胞を刺激して かゆみを誘発する物質であることを、ハツカネズミを利用した動物実験を通じて明らかにした。ハツカネズミの脊髄神経節感覚神経細胞を培養しイミキモドに反応する細胞を探した結果、特定感覚神経細胞がこの物質に反応をし神経信号を発生させた。また、イミキモドが神経細胞中で「IP3受容体」という小胞体膜蛋白質を刺激して、カルシウムイオンなどを増加させる ことによって、このような信号を作るということもわかった。

この感覚神経細胞は、かゆみを誘発する異なる化合物であるヒスタミン(アレルギー反応や炎症に関与する化学物質)、クロロキン(マラリヤ治療薬)などにも同じように反応した。ヒスタミンは、蚊が私たちの体をかむ時に分泌する血液凝固防止物質「ヒルディン」を分解する時に生成され、かゆみを起こす。

イ教授は、「かゆみの発生を担当する特定感覚神経細胞が存在するという事実が検証された」としながら「この感覚神経細胞の作用を抑制する薬品を開発すれば、アトピーのように かゆみを伴う疾患の治療剤に利用できると期待される」と話した。

イ・グンヨン先任記者 kylee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/science/scienceskill/463207.html 訳M.S