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「伝統茶文化 どんどん消えて残念」

原文入力:2011-02-01午後07:14:28(1385字)

31年前に韓国に来た後「帰化」
茶を知ってもらうための本も出す
「新茶の深い味は一品でしょう」

キム・ギョンエ記者

[この人] 韓国茶との愛に陥った英国出身の安善財教授

紅茶の国、英国から来た欧米人で青い目の老教授が、韓国伝統茶にどっぷり浸かった。今年で来韓31年、帰化して17年目の安善財(ブラザー・アンソニ、69、写真)西江大学英文学科名誉教授は、お客さんが訪ねて来れば、まず茶でもてなす。

彼の部屋には、緑茶、プーアル茶、黄茶など多様な韓国茶が用意されている。彼も一日に2~3回、茶を飲む。 最近は主に発酵茶を飲むが、伝統茶普及運動を始めた暁堂僧侶の伝統緑茶「般若露」にしばしば手が伸びると言った。

彼にとって茶は単純な嗜好品でない。彼は茶から待つことの美学を習った。韓国茶はコーヒーや紅茶とは違い、湯で茶碗を暖め、茶を入れる時間が必要だ。安教授は「体にも良い」として茶礼賛論に花を咲かせた。

安教授は1993年、韓国文化体験のために訪れた仁寺洞の茶文化院で韓国伝統茶に初めて出会った。「韓国伝統茶はどこにもない微妙で深い味でした」。彼は即座にマニアとなった。「茶巡礼」も始めた。智異山の華厳寺の周辺の数百年になる野生茶畑を現地調査して、年に何度か伝統茶文化体験ができる華厳寺の九層庵を訪れては茶文化を楽しんだ。 智異山緑茶、その中でも新茶が好きな彼 は「新茶の深い味と香りは飲んでみなければ分からない」と語った。

彼は韓国茶だけでなく中国茶と日本茶にも博学だ。「日本茶は色が美しく、中国茶は香りが優れており、韓国茶は深い味が逸品でしょう」。彼は香や色より自然それ自体に近い韓国伝統茶の「深い味」に惹かれるといった。

彼の韓国伝統茶への愛は「喫茶」に終わらない。安教授は韓国伝統茶を外国人に直接伝えようと二冊の本を出した。 2007年に茶入門書レベルである「コリアン ウェイ オブ ティー」(韓国の茶道)を自ら書いた。昨年には、草衣禅師の「茶神伝」と「東茶頌」、朝鮮王朝成宗時代の儒学者である寒斎・李穆が茶の深遠な境地を論じた本である「茶賦」を一冊にまとめた翻訳書「コリアン ティー クラシック」(韓国の古茶)を出版した。

安教授は、80年金寿換枢機卿の要請で来韓し、西江大学英文学科教授を引き受け、韓国を気に入り、94年韓国に帰化した。韓国人になった後には、伝統と文化を外国人に知ってもらうことにも熱心だ。今までに25冊の詩と小説を英訳して出版した。彼の韓国名「善財」は高銀の小説「華厳経」を英訳している時に創った。自分の人生が善財童子の人生と似ている気がしたからだ。実際、彼は教会一致運動の組織であるテゼ共同体の修道士でもある。

「昔、名節には祭壇に茶を供えました。」安教授は、18世紀に入り韓国の茶文化がほとんど消えると、茶の代わりに酒を祭壇に供えるようになったと説明した。 彼は若者達の間で韓国の伝統茶文化が消え行きつつあることを惜しんだ。

文・写真イ・チュンシン記者 cslee@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/461746.html 訳M.S