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[マガジンesc] 新婚旅行 新婦を泣かせた途方もない失敗

https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/esc_section/454168.html1996年12月、私と妻は結婚式を終えてオーストラリア、シドニーへの新婚旅行に出発した。生まれて初めて高級ホテルに泊まった。妻が入浴する間、私は妻のためにチョコレートと菓子を買いに外へ出た。私はホテル付近にある小さな店に入り菓子とチョコレートなどをたくさん買い、ホテル付近を散歩した。30分ほどかかっただろうか。私は美しい新婦をはやく抱いてあげなければと考えてホテルに戻り客室のドアを開けて入った。ところが、これがどうしたわけか客室内は漆黒のように真っ暗だった。びっくりして入ると、浴室内で妻がしくしく泣いていた。

「どうしたの? なぜ泣くの?」 「しくしく…」

 「いったいどうしたんだ?」「しくしく…」

私は妻にどうしたんだと尋ねながら、カードキーをさした。すると客室内に電気が点いた。妻はより一層大きな声でしくしく泣きに泣いた。あー、まさか、こんなバカなことを! 妻はどれくらい泣いたのか目がぷっくりと腫れていた。生まれて初めて高級ホテルに行った私はカードキーを抜けば自動で電気が消えるということを知らなかった。帰ってきた時、ドアを開けて入ってくることだけを考えてカードキーを抜いて外に出て行ったのだ。カードキーを抜く時は電気がしばらくしてから消える仕掛けになっていた。妻は暗闇の中で30分間も一人で泣いていたのだ。すねた新婦をなだめるのに3時間以上てんてこ舞いしたのはもちろんだ。

ハン・イェチャン/京畿道城南市、盆唐区、栢峴洞、栢峴マウル
記事修正:2010-12-17午後03:44:15