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金メダル 秋本、ワン・キチュン フェアプレイに "尊敬と敬意"

原文入力:2010-11-16午前09:06:49(1371字)

←国家代表ワン・キチュン選手

 ワン・キチュンはあまりにも惜しかった。延長終了23秒を残し朽木たおしで有効を渡した後、その場にそのまま横になった。しばらく起きることができなかった。泣くことさえできなかった。勝者と審判陣が皆去ってもしばらくマットの上に留まった。2008年北京オリンピックの時、肋骨負傷で金をのがした不運と昨年の龍仁のあるナイトクラブでの20代女性に対する暴力事件で物議をかもしたことに対する贖罪まで、今回のアジア競技大会の金メダルで全て洗い落としたかったが。

 決勝戦までワン・キチュンは常勝疾走した。8強ではインドのラマシュレイ ヤダブに背負投げ一本で簡単に勝ち、4強戦ではダークホース北韓のキム・チョルスを押さえ込み一本で制圧した。いよいよ決勝。相手は宿敵 秋本啓之。 今年、世界選手権4強戦で判定で自分を倒し大会3連覇を挫折させた選手だ。しかも相手は正常なコンディションではなかった。4強戦で足首負傷を負った秋本はライバルにはなりえなかった。

 予想通り競技はワン・キチュンの圧倒的優位の中で進行された。だが、ワン・キチュンの攻撃は単調だった。柔道選手がしばしば組み合う過程で見せる足首攻撃をしなかった。主特技の背負投げ攻撃ばかりに注力した。秋本は守備に汲々とした。それでも審判は指導を与えなかった。終了23秒前、ワン・キチュンは攻撃を行い秋本から逆襲にあった。身体を回して落ちたが、審判たちは有効を宣言した。ゴールデンスコア制で行われる延長戦。敗北だった。

 しかしワン・キチュンは悲運の銀メダリストだけではなかった。競技を終えた後、相手方の負傷部位に対する攻撃を避けた彼のフェアプレイに対する賛辞があふれている。金メダリスト 秋本は「私の負傷を知っていたし、それを利用したかったはずなのに、そうしなかったことに対し尊敬と敬意を表す」と話した。秋本は準決勝戦で左足首を負傷し決勝ではずっと足を引きずっていたが、ワン・キチュンは主に背負投げ攻撃を展開した。競技では圧倒したが技術は単調だった。柔道選手らが組み合う過程でよくする足首攻撃は一度もしなかった。秋本は 「指導を受けることもありうることを知っていた」という自身の話のように守備にだけ重点を置いた。

 競技が終わった後、日本言論はワン・キチュンになぜ負傷した足首を攻略しなかったのかという質問をした。ワン・キチュンは「秋本が足首をケガしたことは知っていたが、負傷部位は狙わなかった。そこまでして勝ちたくはなかった」と話した。ワン・キチュンは韓国言論とのインタビューでも「なぜそうしたのかは私にもよく分からない」として「私が倒せず敗れたので次回は倒せるよう頑張る」という言葉だけを言って席をはずした。北京オリンピックに続き再度の不運に忍び泣きをしなければならなかったが、ワン・キチュンはフェアプレイを通じて45億のアジア人に金メダリストに劣らない強い印象を残した。

eニュースチーム

原文: https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/448846.html 訳J.S