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ホ・ガク、スーパースターに…大衆が希望を見た

原文入力:2010-10-25午前09:41:52(2260字)
‘スーパースターK2’強力候補 ジョン・パクやぶり優勝

哀切で飛び抜けた歌唱力 高得点

‘格別な人生経歴’普通の人々が応援

ナム・チウン記者

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 "最後の1人はホ・ガクです。" 去る23日午前1時頃、ソウル慶煕大で開かれたケーブル・衛星チャネル mnetのオーディション プログラム<スーパースターKシーズン2>(スースK2)が発表した優勝者は当初の予想を跳び越えた人物だった。ホガク(写真)の優勝には何があったのだろうか?

ストーリーがファンタジーに勝つ

<スースK2>参加者134万人の最後の1人にそびえ立ったホ・ガクは歌の実力は優れていたが、決勝戦まで優勝候補者としてほとんど挙げられなかった。最終3人に残った時も‘ジョン・パク内定説’等、あらゆるうわさが乱舞した。審査委員の評価は常に良かったが、視聴者投票の反映比率が70%も占める状況で女性視聴者の絶対的支持を受けているジョン・パクに勝つには力不足と見られた。敗者復活戦を経て‘トップ11’に入った後にも、事前オンライン人気投票では常に下位圏だった。

そういう彼が決勝戦を控えた人気投票でジョン・パクに1万票以上上回り1位の可能性がひそやかに言われ始めた。予想を覆す結果は、どんな‘ミッション曲’を遂行しても、切なさと訴求力がにじみ出て、聞く人の胸を動かすホ・ガクの格別な歌唱力を抜きには語れない。だが、苦しい時期を勝ち抜いたホ・ガクの成功に代理満足を感じたい大衆の熱狂的支持も波乱の演出に大きな役割を果たした。

ホ・ガクは幼い時に母親が家を出て、中学校を卒業した後は昼は天井換気扇技師として、夜は行事場所で歌い夢を育てた。彼の経緯と歌手になりたい切実な思いはオーディションが進むほどプログラムにより一層深く溶け出、視聴者たちはドラマや映画でのみ起きうることが現実でも起きることを願い始めた。決勝現場で会った20代女性ファンは「苦しい環境でも自分の夢をかなえようと最善を尽くす彼の姿が胸にジーンときたし、私はできないけれども彼は必ずやり遂げるように願う気持ちで応援したい」と話した。

ホ・ガクの格別な人生の話がジョン・パクに向かっていた女性たちの期待心理を破ったという分析も出ている。<スースK2>の自主集計によれば、ホ・ガクは10~20代と男性たちに、ジョン・パクは30~40代の女性たちに人気があったが、中低音の技巧の混ざる声にハンサムで学閥の良いジョン・パクが暫し間だけでも‘私の男’の勝利を願う女性にとって一種のファンタジーの対象だったものとみられる。

非主流、主流を越える

容貌と環境など、あまりにも異なる二人の対決は‘非主流’と‘主流’の対決と呼ばれもした。163㎝の小さな背丈、中卒の学歴、社会的選好度の高くない職業、平凡な容貌のホ・ガク、背丈180㎝に米国ノースウェスタン大学校在学中であることに加え、垢抜けた容貌のジョン、パク。‘スペック’を前面に掲げる社会の基準で見れば‘敗者’と言えるホ・ガクが、ほぼ完ぺきな芸能人スペックを備えたジョン・パクを抜いたのは実力さえあれば誰でも成功できるという希望の火種を生かしておいた。

視聴者ハム・ヘミン(34)氏は「ホ・ガクの優勝が容貌や環境などが影響を与えず、ただ実力一つで評価される公正社会の可能性を示した」と話した。不公平な世の中で、数多くの人々がホ・ガクに自身の境遇を投影し共感を示したのだ。ホ・ガクもまた 「背が低くハンサムでもなく、企画会社オーディションで歌を歌う機会さえ得られないこともあった」 とし 「私が主人公になるとは想像もできなかった」と感激した。
独特の音色と驚くべき歌唱力で、韓国で非主流音楽であるフォーク音楽をリリースし相当数のファンを確保した‘最後の3人’の1人であるチャン・ジェインの票がホ・ガクに集まったという分析も出ている。

美しい競争を見せる

計14回放送された<スースK2>はケーブル・衛星チャンネル史上初の視聴率10%を突破したのに続き、この日の放送は18%(TNMS集計)を記録するなど、毎回爆発的な視聴者の関心を引き出した。特に家族皆が共に見る家族単位視聴者たちが多かったことも特筆に値する。

製作スタッフが当初目標に設定した10%を跳び越える興行は、通常のサバイバル プログラムとは違い、この時代が願う‘美しい競争’を見せた結果と見ることができる。‘公正な社会’という時の話題に近接したと見られる二人の対決が多くの視聴者の心を奪ったのだ。

互いにけなし、ねたましく思い、ただ勝つために競争するのではなく、出演陣は同じ夢を持った人々が一堂に集まり何かをするということを喜んだ。特にホ・ガクとジョン、パクが互いに応援し合い、自分の事のように幸せになる姿は放映中一貫した話題だった。最も親しい同僚であり、競争者でもあった二人は決勝戦でも広告が流れる間、互いに抱き合い慰め合い、歌を歌うのに先立ち頑張れと軽く叩いたりもした。二人の善意の競争に現場にいた人々が拍手を贈ることもした。

ナム・チウン記者 myviollet@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/entertainment/445316.html 訳J.S