原文入力:2010-03-24午後10:12:09(4352字)
escウォーキング マップ21.統営(トンヨン)トンピランマウル(村)と三道水軍統制営
数多くの芸術家を輩出した朝鮮時代の軍事都市 統営で カングアン-南望山(ナムマンサン)-忠烈祠-カングアン 6.5km
イ・ビョンハク記者
←雄壮で美しい客舎 洗兵館. 椿花の陰を落としている。
統営は三道水軍統制営から出た言葉だ。朝鮮時代、忠清・全羅・慶尚道の水軍を総括した‘海軍本部’が三道水軍統制営だ。壬辰倭乱後の1604年(宣祖37年)に統制営を移して建設した軍事都市が統営だ。統制営内外に伝えられてきた多くの伝統文化遺産が今日、無数の統営芸術家を輩出する基礎となった。詩人ユ・チファン,作曲家ユン・イサン,小説家パク・キョンニなどが統営出身だ。カングアン文化の広場(軍用船の広場)から出発し、南望山・トンピランマウルを通り洗兵館・忠烈祠を経てカングアンに戻る。
撤去を避けて生き残ったトンピランの町内
←カングアン船着き場の亀甲船(コブクソン). ソウル,漢江から2005年に引っ越してきた。
カングアンは統営都心に囲まれた内海をいう。東忠(現 港南洞)一帯と南望山の山裾が天恵の防波堤の役割をして統制営時代に主要大型軍用船7隻を泊めておいた所だ。こちらに今は巨大な亀甲船①一隻が停泊している。ソウル,漢江にあったものをソウル市から寄贈され移ってきた。長さ34m,幅10mの亀甲船内で壬辰倭乱の時に使われた総統たちの模型,李舜臣将軍に下された各種教旨などが見られる。文化の広場の一方に閑山大捷主題広報館②がある。常駐する解説士が壬辰倭乱とイ・スンシン関連展示資料を几帳面に説明してくれる。
広報館後方の化粧室付近に店を広げた鋸目立て屋の老人に会う。40余年間にわたり作って直して鋸の刃を立ててきた‘鋸の達人’カン・カプチュン(74)氏だ。「あー 親を早く亡くして居候暮らしで生きてきて道具箱担いで刃物を研いで鋸作りの仕事ばかりで四十五年やってきたよ~" 古くすりへった‘文化財級’クェチャク(道具箱 兼 作業台)が彼の履歴を物語っている。時々に詩を作り歌の文句も作っては歌も歌う。‘統営の女’という歌を鑑賞し立ち上がる。
市民文化会館の建物が建っている南望山裾に上がる。10ヶ国15人の彫刻家の作品が展示されている彫刻公園③を見て回り、竹林・松林を散策すればまさに春の香りだ。木蓮の花・椿の花陰が奥ゆかしく春の日差しに輝く統営港の海の眺めが小気味よい。
下ってきて大通りを渡り、キム・チュンス詩人の生家を見て、壁画の村として有名なトンピランマウルに行く。村の入り口には旧統制営にあった9ヶの泉の1つである桶泉(トンセミ)④がある。海産物を入れる木桶を作った工場のそばの泉なので桶泉と呼んだ。桶泉前のミョンホスーパーと続きの古い二階家は古びた日式家屋だ。「約100年にはなるだろうね。私たちが約50年は暮らしたからね」 主人のチェ・イイル(70)氏は4月中に‘100年経った家’を壊して新しく家を建てる予定だ。
←統営の観光名所になったトンピラン マウル
トンピランマウル⑤に上がる。トンピランは東側の崖を意味する。斜面に沿って50余軒の古い家々が鈴なりに貼りついたこの山の村は、数年前に市で撤去した後に公園とする計画だった。2007年に市民団体‘青い統営21’が公共美術を通じた村興しに立ち上がり村が生き残った。路地の壁々は素敵な絵で満たされ、観光客が集まり村は新しい観光資源として浮上した。去る2月には訪問客に茶とおやつを売るトンピラン購販場も営業を始めた。
道の脇の欄干に沿って地元のご老人たちの統営なまりを絵と共に書いた立て札が目を引く。“---------------”村の頂上の丘は統営城の3大砲楼(一種の警備警戒所)の一つである東砲楼があった所だ。崩れた古屋跡のオンドルの石に立って見下ろせば、南望山とカングアン,弥勒島,統営大橋側の景色は見逃せない。
‘受降樓 址’標石が滑稽で寂しいな
←洗兵館入り口の石像
トンピランマウルから下ってきて統営城東暗門(東側小門)を見て中央市場に入る。中央市場はソホ市場と共に統営の2大在来市場だ。最も込み合う所が活魚市場だ。カレイが旬. 1㎏ 3万ウォン.
洗兵館に向かって歩く。高さ2mに達する大きな石像⑥が待つ。1906年厄と伝染病などをはね除けるために立てられた彩色石像だ。目は開いているが口は大きな牙2つを出して明るく笑っている。洗兵館一帯は1604年から1895年まで朝鮮三道(忠清・全羅・慶尚)の水軍を総指揮した三道水軍統制営の本営だ。元々は100余棟に及ぶ建物があったと言うが、現在残っているのは洗兵館(国宝305号)⑦一つだけだ。洗兵館周辺では現在発掘および復元工事が進行中だ。50ヶの一抱えもある柱で作られた巨大な客舎 洗兵館は統制営を設置した翌年(1605年)に建てた建物で、景福宮慶会楼,麗水鎭南樓とともに朝鮮3大楼閣に選ばれる。
洗兵館を出て復元された受降樓を見る。倭将から降伏を受ける過程を再現する行事を行った所だ。元来は南門外にあったものを望日樓脇に復元し旧跡には‘受降樓 址’標石をたてた。しかし再び拡張工事でこの標石まで移転復元した受降樓前に移された。本来のものは消えてすでに無いのに、とんでもないところに復元された楼閣と過去の楼閣の場所を知らせる標石が一緒に立っている姿が滑稽でまた悲しい。受降樓の向い側の統営市郷土歴史館⑧には統営の歴史と遺物,壬辰倭乱と李舜臣将軍関連遺物・記録物が展示されている。
復元工事真っ最中の洗兵館横の路地を回り西門の場所に向かって歩く。数十年前の姿をそっくり大事に保管した路地だ。町内の名前がカンチャンゴルだ。官庁があった村を言う官庁(クァンチャン)ゴルから変わった言葉だ。西門の場所を過ぎて忠武公李舜臣将軍影像を祀った忠烈祠⑨に行く。入場料1000ウォン。1606年に建てられた霊廟建物の左右には晩秋に香わしい花を咲かせ冬の訪れを知らせるという金木犀2株が立っている。八賜品展示館では明国神宗が李舜臣将軍を賛えて送ってきた儀仗用刀剣などの模造品と共に統制営軍用船548隻が参加し訓練する様を描いた水曹図を見られる。
←統営忠烈祠前の正堂泉(明泉). 右側が忠烈祠で使った日井,左側が民家で使った月井だ。
江漢楼前には石段がある。日帝強制占領期間、統営を訪ねてきた詩人 白石が一人の娘を考えながらぼんやりと座っていた階段だ。“ランいう女は明井ゴルに住むと言うが/ … /古の将帥を祀る古い祀堂の石段に座り込み、私は/ … /14日間、月を背負って踏み臼を搗く私の人を思う”(白石 詩<統営>一部・1936年)忠烈祠前の道の向かい側に白石詩碑⑩があり、その向い側には明泉(正堂泉)⑪がある。1670年忠烈祠で使うために掘った井戸だ。日井・月井の2つの井戸が並んでいるが、日井は忠烈祠で、月井は民家で使った。パク・キョンニの小説<キム薬局の娘たち>にも明井ゴルの井戸の話が出てくる。白石詩碑の後方には烈女‘咸安 趙氏’を賛える旌閭があるが崩れかけている。
ユ・チファン通りを過ぎキム・サンオク通りへ
狭い路地に沿って西門峠を上がり、パク・キョンニ氏の生家跡を見て降りて行くと、統営青年団建物⑫(現 統営文化院)に出会う。日帝の妨害を押し切り1923年に民間資金で建てた建物だ。文化院前には‘カンチャンゴル泉’がある。忠武教会をすぎて駐車場付近はかつての統営城の南門跡と推定される所だ。
中央洞郵便局前は青馬 柳致環(ユ・チファン)通り⑬だ。中央洞郵便局はユ・チファンが訪れ愛する女性イ・ヨンド(時調詩人)に送る手紙を書いては又書いた所だ。彼がイ・ヨンドに送った手紙は20年間に5000通に達する。郵便局前のポストのそばに“愛することは/愛されることより幸福だ”で始まる彼の詩<幸福>を書いた詩碑が建っている。
草汀 金相沃(キム・サンオク)通り⑭が続く。20年前まで統営の明洞と呼ばれる程の繁華街だ。商圏が貞梁洞(チョンリャンドン)・霧田洞(ムジョンドン)など新市街地側へ移った後、数十年伝統のレコード店・本屋だけがかつての名声を守っている。トンジン旅人宿路地の曲がり角の金相沃(キム・サンオク)生家(父親がからし菜を売った店だった)標石を見て、港南五叉路をすぎて李仲燮(イ・ジュンソブ)が避乱時節に滞在したという日式建物(現 21C DVD房)⑮に行く。朝鮮戦争の時、李仲燮が避してきて1年半過ごし作品活動をしたところだ。
暮れゆくカングアン軍用船広場に再び出てくると船も南望山市民文化会館も、ちょうど明るい灯を点している。6.5kmを歩いた。
←統営トンピランマウルと三道水軍統制営. 地図グラフィック デザイン(※クリックすればさらに大きく見ることができます。)
ウォーキング メッセージ
どこでもトダリスックク(カレイ蓬汁)
◎行き方|大田~統営高速道路に乗り統営出入り口で出る。統営市庁を過ぎて北新交差点で左折,中央路に沿って行き市民文化会館または中央市場立て札を見て左折すればカングアン文化の広場(軍用船広場)だ。船着き場側に駐車場がある。1時間1000ウォン. 週末は非常に混雑する。
←トダリスックク(カレイ蓬汁)
◎食べ物|忠武のりまき(中央市場・ソホ市場付近に密集)だけでなく、トダリスックク(写真),フグ汁・海物湯(ヘムルタン)がある。トダリスックク(4月初めまでが旬)とフグ汁は統営港の大部分の刺身料理屋で食べられる。1万ウォン内外。ソホ市場のブンソ食堂(055-644-0495),プイル河豚汁(055-645-0842),マンソン河豚汁(055-645-2140). 文化の広場裏路地のセチブ食堂(ヘムルタン・055-645-5608),中央市場プニ粉食(サムセッカルグクス・055-648-1668),南望山入口ソラ食堂(定食・055-644-8978).
◎旅行情報|統営観光案内所(055)650-4681,統営市庁観光課(055)650-4610,統営総合バスターミナル(055)644-0017.
統営=文・写真 イ・ビョンハク記者 leebh99@hani.co.kr