[夏を迎え、ラジオプロデューサーのイ・ジェイクさんが4週連続4部作でBTS特集を送ります。音楽を基盤に、ジョングクの「手の甲キス」からVのヘアスタイルまで、BTSの様々な話を繰り出します。「オヤジARMY」イ・ジェイクさんが薦めるBTSの魅力あふれる映像もお見逃しなく!]
防弾少年団(BTS)の歴史はいつからスタートしたと見るべきだろうか。 所属事務所の先輩たちの歌に登場したこともあるが、公式活動を始めたのは2013年6月13日と記録されている。その前日に初のシングルアルバムを発表し、音楽番組『M COUNTDOWN』(エムネット)でデビューしたのだ。8周年を迎えたばかりのBTSの変遷史を、メンバーたちの印象的な変化を中心にざっと探ってみた。
1997年生まれの「黄金の末っ子」ジョングク(チョン・ジョングク)は、デビュー当時中学生だった。当然、メンバーの中で身体的な変化の幅が一番大きい。うさぎ顔の子どもから美少年を経て成人男性になったが、兄たちに育てられた末っ子が今では一番の力持ちだ。役割の面でもメインボーカルとして完全に定着した。音域が広く、初期のアルバム『花様年華』では低音で歌うこともあったが、最近、「ON」では裏声を使った超高音域を消化して人々を驚かせた。ライブステージでは踊りながら、あるいは座った姿勢で難しい歌をこなすメインボーカルの威厳を示してくれる。
メインボーカルは末っ子のジョングクだが、チームのリーダーは昔も今もRM(キム・ナムジュン)だ。BTSの中で急成長したジョングクと違い、RMは最初から頼もしく賢いリーダーだった。「3放世代」や「余剰人生」(いずれも韓国の若者問題のキーワード)について語るラップや、国連総会での演説からも分かるように、彼はリーダーを超えて若者世代全体に対する苦悩と責任を忘れない。言語を駆使する能力も尋常ではなく、韓国語に対する理解も優れており、英語はネイティブ並みで、日本語・中国語も相当なレベルだ。しかし、神は人にすべてを与えない。「破壊モンスター」というあだ名どおり実生活ではいつも何かを壊したりなくしたりする「おっちょこちょい」で有名、そしてダンスは少々残念なところがあった。ところが、最近になってダンスの実力が急成長した。それが少し寂しく感じるのはなぜだろう。完璧な友達にあった唯一のからかいネタがなくなってしまった気持ちというか。
最年長のジン(キム・ソクジン)は、私を初めて「ARMY」(BTSファンクラブ)に導いたメンバーだ。光に引かれる蛾のように彼の美貌に引かれた魅惑の瞬間が「ファン入り」のはじまりだった。歌の実力はぐんぐん伸びた。持って生まれた高音ボイスは次第に磨きがかかり、訴える力も増した。リアクション映像を見ると、ファンたちが一番多く涙を流す部分がまさにジンのパートだ。ボーカリストとしての彼の力量は「Epiphany」で光を放つ。直接ピアノを弾きながら歌うライブ映像をぜひ見てほしい。初期にはテンポの早い曲では不安定な姿も見られたが、最近はこの短所も克服した。ハンサムな容貌のせいで実力が過小評価されているという評価も多い。その通りだが…、私もそんなことを一度言われてみたい。
ジンと共にビジュアルで賛辞を受けるV(キム・テヒョン)は、ヘアスタイルをよく変える。今回も破格のスタイルを披露した。いわゆる「モフモフパーマ」。びっくりした。こんなヘアスタイルがこれほど素敵に見えるとは。ただ、画面に注意書きを付けるべきだった。「真似しないでください」と。この髪型を普通の人がやると即ギャグになる。Vの音色は、独特を超えて貴重だ。中低音のパートを担当することが多いが、彼の魅力がもっとも発揮されているのは「DNA」だ。ところで今回の「Butter」では、ジンと同じ音域を無理なく消化している。特にオレンジ色のスーツを着てエレベーターで2番を歌い始めるVを見た瞬間、わかった。今回の歌の主人公はVなんだな。
「振り付けチーム長」というあだ名を持つJ-HOPE(チョン・ホソク)は、ダンスではこれ以上付け足す言葉がない。最初から踊りはうまかったし、差し出がましく評価できないレベルに跳躍しているから。彼のダンスを見ていると、華麗な舞台は消え、空中で舞うJ-HOPEだけが見える。拍子に合わせて踊るのではなく、拍子をまき散らして踊るようだ。RMやシュガより後から始めたラッパーとしての実力も、驚くほどの変化を見せてくれる。成長の結果が2019年の彼のソロ曲「Chicken Noodle Soup」だ。歌の序盤から多様な音域にわたりながら巧みにラップをこなし、果ては故郷である光州(クァンジュ)の方言も入れ込む自信を見せてくれる。再生ビュー数が3億回に近づいているミュージックビデオの間中、J-HOPEは世界のストリートダンサーたちを圧倒するダンスを披露する。
天才に努力家まで加わったらどうなるかを見せてくれる人がジミン(パク・ジミン)だ。もともと次元の違った彼のダンスと歌は、もはや説明不可の境地に入った。ジミンのソロ曲「Filter」の公演映像を見ると、いくつかの事実に驚く。男の服の種類ってこんなに多かったんだな。3秒で服を着替えられるんだ。わいせつと芸術の境界は本当に紙一重だな。「Filter」の公演のかなりエロティックなダンスを見て、多くのファンがもうやめてと警告した。そんなに踊り続けたらファンたちが心臓麻痺で死んでしまい、誰も残らなくなると。映像を全部見た後で、目をつぶって正規の音源を聞いてみることをお勧めする。この難しい歌を、あの振り付けとともにライブで歌う人がこの世に存在するのだ。
一度ハマってから出口を見つけられずもがいている私の最も愛するメンバー、シュガの成長記については、先のコラムでかなり取り上げたので省略する。「ミンシュガ(ミン・ユンギ+シュガ」のせいで使い果たした膨大な時間を考えると気が遠くなりそうだ。他のARMYたちと一緒に告訴しようか考え中。次の最後の回では、BTSに入門するには絶対に見逃してはならないもののリストを紹介する。<続>