原文入力:2009-10-21午後07:01:55
[マガジンesc]カメラ ヒストリー
(*)ピルカ:訳注 フィルムカメラの略,デジタルカメラはディカと略す
←富士TX-1
中古カメラ相場も騰がったり下がったりするのだろうか? 当然、需要と供給の法則により価格が変わる。中古カメラは歳月が流れるほどに下降曲線を描く。特にデジタルカメラは市場に出てきた途端に価格が落ち始める。新製品の発売を控え生産中止されるという知らせが聞こえ始めれば、もう入手できない。人気がないモデルの中古価格は暴落水準だ。
私が使っているDSLR‘キヤノン5D’の場合2005年発売当時の価格が400万ウォンに肉迫していたが、現在は220万ウォン程度で新製品を買うことができる。昨年9月に後続機種の‘5D mark2’が出てきて価格が急速に落ちた。きれいな中古も160万ウォン内外で買える。丁度4年で半額になったわけだ。それでも‘5D’はかなり人気のある機種なのでかなり永く現在の中古価格が維持されている。
フィルムカメラも同じことで、デジタルカメラがフィルムカメラ市場を代替し値段が底まで墜落した。例をあげれば10余年前に70万ウォン近くで買った‘ニコンF3’は現在20万ウォン台に暴落した。88ソウルオリンピックが終わった直後‘ニコンF4’に対抗するためにキヤノンが出した最高級フラッグシップ モデル‘EOS 1hs’を僅かな金(?) 20万ウォンで買うことができるのは全てデジタルカメラが大勢を占めたためだ。
ところでこのように底なし沼のように下落する中古フィルムカメラ市場でも、大切に宝物扱いを受けているカメラたちがいる。使用者層が厚く名機としてネームバリューをもつカメラは値段が落ちていない。中型カメラの‘座長’といえるハッセルブラッドはほとんど価格変動がない方だ。ライカ社も以前ほどではないが今日100万ウォンで1年くらい熱心に使ってから中古市場に出しても大きく損をすることはないだろう。ところで唯一この頃、中古市場で高騰を続けているカメラがある。
富士フイルムが作った35㎜フィルムを使うレンジファインダーカメラの‘TX-1’がまさにその主人公だ。‘TX-1’は一般写真だけでなくパノラマ写真も撮影できるマルチプレーヤーだ。1999年に発売された‘TX-1’の当時の新製品価格は45㎜レンズを含め20万5000円,今の為替レートで計算すれば約250万ウォン程度する高いカメラだった。ところがこの‘TX-1’もあふれ出るデジタルカメラの威勢に押され2003年には120万ウォンできれいな製品を買うことができた。
当時パノラマで撮影できるというただ一つの理由で大金を払って手に入れた。ところが‘TX-1’を使えば使うほど、使用者が多くなく知られざる出来ばえ,レンズ性能など色々な面で‘低評価株’カメラという考えを固めることになった。色が違うだけで同一デザインと性能でハッセルブラッドというネームバリュで価格がはるかに高かった‘X-PAN’と比較してみれば、より一層‘TX-1’は価格対比性能を考えてケチのつけようのないカメラだった。ハッセルブラッドだけでなく大型カメラを作るホースマン(Horseman)でも‘TX-1’の丈夫な本体を基本とし3Dステレオカメラを発売した。
そして6年が過ぎた現在、日本から韓国にある‘TX-1’を追加金を出して買い戻しに来ているという話があるほど、求めることが空の星を取るほど難しいカメラになった。現在、中古市場相場は普通160万ウォンを越えている。私が買った当時、別売りアクセサリーだった木製取っ手が5万ウォン程度だったが、それさえ15万ウォンで出てくるのを見たので‘急騰株’に他ならないわけだ。
チョ・ギョングク月刊<フォトネット>記者[マガジンesc]