詩人のソン・ギョンドン氏が、親日文人であった未堂(ミダン)徐廷柱(ソ・ジョンジュ)を称える未堂文学賞を断る意思を表明した。
ソン氏は2日夕方、フェイスブックで未堂文学賞の主催側である中央日報社から未堂文学賞候補に自分を入れる予定だという連絡を受け、「適切でない賞だ」と言って断ったと明らかにした。彼は「未堂の詩的役割はあり得るが、親日加担および5・18光州虐殺とクーデターにより執権した全斗煥(チョン・ドゥファン)をほめたたえる詩を書き、その軍部政権に加担した人を逆に称える賞自体が不適切であり、その末尾にでも私の名前を入れるわけにはいかない」と書いた。「それは、取るに足らない人生であったとしても私が生きてきた歳月に対する否定であり、私と共に生きてきた、そして生きていく友人たちを否定する事であり、植民地と独裁で点綴された長い韓国の歴史、その時期を民主主義と解放のために闘って数えきれないほど死んでいき、連行され、踏みにじられた無数の人々の痛みと苦痛、その歴史を否定する事であるからだ」とソン氏は付け加えた。
彼はまた「私の詩を尊重してくれる目と心があるなら、一体私と未堂がどこで出会うことができるというのか」とし、「少しは寂しく孤独であるとしても、私が歩みたい別の道があると信じる」と未堂文学賞拒否の意思を明確にした。
親日と親独裁経歴のある未堂の文学賞を巡っては、文壇内外で問題提起が絶えなかった。 特に詩人ソン・ギョンドン氏が会員である韓国作家会議傘下の自由実践委員会は、民族問題研究所とともに去年11月「親日文人の記念文学賞、このまま置くべきか」という主題でシンポジウムを開き、韓国作家会議も3月25日、内部の討論会でこの問題を集中的に論議した。5月には未堂文学賞受賞経歴のある詩人のキム・へスン氏が5・18文学賞受賞者に決まると、受賞の適切性について議論が起き、キム氏が自ら受賞を辞退するということもあった。
ソン・ギョンドン氏は2001年韓国作家会議機関誌『明日を開く作家』と『実践文学』を通して登壇し、詩集では『甘い眠り』『小さな問いに答える』『私は韓国人ではない』などを出した。第12回千祥炳詩文学賞、第6回キム・ジンギュン賞、第29回申東曄(シン・ドンヨプ)創作賞を受賞した。昨年末には韓国作家会議「若い作家フォーラム」から「美しい作家賞」も受賞した。
韓国語原文入力: 2017-07-03 11:58