本文に移動
全体  > 文化

古い待合室から発つ写真旅行

原文入力:2008-12-25午後09:47:24
旧ソウル駅舎,そして‘ソウル国際写真フェスティバル’

イム・チョンオブ記者

元老作家イ・ヘソンから北欧作家まで
‘人間風景’主題に作家50人350点余り展示

旧ソウル駅舎がひっそりとした写真展示場に変わった。離別と邂逅の愛憎が未だ漂う空間に入ればまた別の感性の世界へ旅立つことができる。

古い門を押し開けた瞬間、‘人間風景’という主題で開かれた第2回ソウル国際写真フェスティバル(SIPF・来年1月15日まで)展示場に出くわす。アーチ型鉄骨と二抱えもある石柱が作った高い穹窿の下に写真がまるでお客さんのようにつつましやかに架かっている。国内32人(チーム),国外12人など写真家50人余りの作品350余点だ。

100余年前、低い韓国式家屋が佇む真ん中で近代の威容を誇ってきた駅舎。出入りしていた無数の人々とキップ売場、便宜施設などが引き上げて空っぽになった空間には‘近代性’がぎっしり埋まっている。そんな空間で伝統的肖像画や風景画に代えてまた別の近代の象徴物になった写真に出会うのも奇異な経験だ。

←旧ソウル駅舎で開かれている‘ソウル国際写真フェスティバル’では二とおりの時間旅行ができる。内部を完全に撤去した待合室で、100余年前の近代に入った後にもう一度写真の中の停止した時間に進入する。作品は伊島 薫の<坂井真紀,ジルサンダー着る>(上),キム・インソクの<土曜の夜>.

旧駅舎は闖入者たちを深い内面世界または全く別の時間帯に案内する。展示は△自画像や日記のように自伝的話を入れた‘内面を眺める’ △家族や恋人,友人など人との関係を表現した‘他人を感じる’ △人間を取り巻く環境と状況に集中する‘外に出て行く’等3つのセクションで構成されている。

国外居住の韓国作家とまだ目新しい北欧作家たちの作品が大挙出品されたのが特徴、大家中心のいつも同じ写真が反復される写真界に新鮮な刺激剤となるものと見られる。

ペルソナとマスクの境界線の表情(チョン・ヒスン),テレビの前で魂と分離した人々(ミン),たった今魂が離れて残った人間の皮(チェ・グァンホ),両親のふるい写真から発見した自分(ユン・ウンスク)等、日常忘れて生きる‘私’に会えるのは幸運だ。

つるつるした床,欠けた階段,古い部屋は観客の足跡を飲み込んで穴がたくさん開き壁紙がぼろぼろな壁は写真を吸い込み、かなり以前からそこにあったような幻覚を呼ぶ。興宣大院君の二番目の兄、興王君の曾孫イ・ヘソンの白黒写真たち. 水泳を楽しんだ漢江やばた足打った弘恩洞渓谷,貧民街だった昌信洞の写真などが忘れられた過去に観客らを導く。

時間を追ってさらに深く入れば、ビルと人波の中の島のようなイベント空間(チェ・スンウ),旅情を缶詰めのように作った公園(ソ・ヨンソク),韓国内の外国である東豆川・梅香里(ソン・サンヒ),愛と誕生,死の空間としての寝台(イム・ソニョン)等なじみでありつつ見慣れない空間に案内される。西洋の中の東洋人のアイデンティティ(ペチャニョ,ドロシ,ユン),土曜の夜のホテル部屋ごとに剥かれた欲望(キム・インスク),服と共に武装を解除した浜辺の人々(イ・イルウ),スタークラフト ゲーム競技場に立ったボクサー志望生(パク・ヒョンド),韓国滞留外国人に見るハメル漂流記(キム・オクソン)等とも邂逅する。

ソン・ナムフンのビデオ映像はソウル駅がまた別の駅であることを喚起させる。離れたくても離れることが出来ない路上生活者らの駅。 入場料4千~8千ウォン. (02)2269-2613.

文・写真 イム・チョンオブ選任記者 blitz@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/329688.html

原文: 訳J.S