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恐竜「デイノケイルス」ミステリー、韓国科学者が50年ぶりに解明

登録:2014-10-23 01:44 修正:2014-10-23 19:39
研究チームがコンピューターグラフィックで復元した恐竜ディノケイルスの姿。韓国地質資源研究院提供//ハンギョレ新聞社

 50年前に化石の一部が発見された後、ベールに包まれていた恐竜‘デイノケイルス’が雑食性ダチョウ恐竜であることを韓国人科学者が初めて明らかにした。 盗掘された恐竜の頭骨と足骨が劇的に返還されたことが研究成果の決定的契機になった。

 韓国地質資源研究院は22日、イ・ユンナム地質博物館長(54)が2006年と2009年にモンゴル、ゴビ砂漠で発見したデイノケイルスの化石を分析した結果、当初古生物学界が推定した肉食や草食ではなく雑食性だという事実が分かったと明らかにした。 研究結果は科学ジャーナル『ネイチャー』23日付(現地時間)に掲載された。‘今週注目される論文’として紹介され、表紙論文候補にも上がった。 韓国人が主導した古生物学論文が『ネイチャー』に掲載されたのはこれが初めてだ。

 デイノケイルスは1965年にポーランドの古生物学者がモンゴル ゴビ砂漠で鋭い爪を持った二本の前足を発見し、初めて姿を現わした。 最も粗野な肉食恐竜であるティラノサウルスより大きい肉食恐竜と推定され、‘独特の恐ろしい手’という意味の名前を得た。 だが、その後は化石が発見されずミステリーとして残った。 イ・ユンナムを団長とする研究チームは、2006年に小さな恐竜の骨を収集したが、当時はテイノケイルスのものか分からなかった。

 2009年にモンゴルのギン・ツァフ地域でほぼ完ぺきなデイノケイルスの化石が発見された。 前足の形が1965年の化石と全く同じだった。 しかし、頭骨と足骨が消えてなくなっていた。 周辺に散らばっていた粗悪な接着剤と酒ビンなどから考えて盗掘されたことは確実だった。 研究チームは残った化石と周辺から発見された胃石(鳥類の砂嚢のように消化のために恐竜が食べた石)等を根拠に草食恐竜だと暫定結論を下した。

 この時ベルギーの古生物学者から朗報が飛び込んだ。 盗掘された化石が日本を経てベルギーの収集家の手にあるが、デイノケイルスのようだということだった。 イ・ユンナム館長は直ちにベルギーに行って、化石を渡すよう収集家を説得した。 ちょうど盗掘された別の種類のモンゴル恐竜化石が米国で競売に付され、収集家が逮捕され離婚されてしまうことまで起こっていた。 ニュースを聞いたベルギーの収集家は今年5月、化石をモンゴル政府に返還し、イ館長はモンゴルに行って研究を終えることができた。

イ・ユンナム韓国地質資源研究院地質博物館長が2009年にモンゴルのゴビ砂漠で発見して京畿道華城市の収蔵庫に保管されているディノケイルス胴体の化石。華城市提供//ハンギョレ新聞社

 イ館長は「デイノケイルスは鴨のくちばしのような頭で、歯がなく、下頭骨が発達しており丈夫な舌を持っていただろうと推定された。 足も肉食恐竜とは異なり、先が短かかった。 恐竜の胃があった所から胃酸で腐食されたと見られる魚骨が発見された。 デイノケイルスは雑食性だった可能性が高い」と論文で報告した。 恐竜は体長11メートル、体重6.4トンで、ダチョウ恐竜類に分類された。 前足の爪はその名前の由来とは違い、水辺の植物をかき集めるのに使われたものだろうと推定された。

イ・グンヨン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/23 02:09

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/661063.html   訳J.S(1454字)

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