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高麗時代の国宝級螺鈿(らでん)経箱が日本から帰ってきた

登録:2014-07-16 00:17 修正:2014-07-16 07:29
15日午前、ソウル龍山区(ヨンサング)の国立中央博物館で今回日本から帰って来た高麗螺鈿経箱が公開されている。 経箱は仏教経典を保管する用途で作られた箱で、今回公開される螺鈿経箱は世界に現存する9点の螺鈿経箱の一つで、韓国国立中央博物館会が日本の個人所蔵家から購入し博物館に寄贈した。 キム・ヨンナ中央博物館長など参席者が経箱を調べている。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

国内には1点もなかった稀少な名品
日本の古美術商から購入
亀・唐草など模様が精巧・細密

韓国国内には一点もなかった高麗時代の国宝級螺鈿経箱が日本から帰ってきた。

 韓国国立中央博物館は15日に緊急記者懇談会を開き、高麗時代最高の工芸名品に選ばれる螺鈿経箱を国立中央博物館会(会長キム・ジョンテ)から寄贈されたと発表した。 経箱は仏教経典を保管する箱をいう。 今回寄贈された経箱は高麗後期のものと推定され、歴代の博物館寄贈品の中で単一遺物としては最も価値が優れたものの一つに選ばれる名品だと博物館側は紹介した。 螺鈿経箱は今回の寄贈品を含めて日本、米国、ヨーロッパなどに9点が所蔵されていて、これまで韓国にはなかった。博物館会が日本 京都の有名骨董商から20億ウォン(約2億円)余の自己基金で買い入れ、5月に国内に搬入し最近博物館に寄贈したという。

螺鈿経箱の前面の姿

 この経箱は高さ22.6cm、幅41.9 X 奥行20.0cm、重さは2.53kgの直方体形状だ。 牡丹と唐草、麻の葉、亀、連続円など多様で精巧な模様で装飾されていて、蓋の上部の角を抹角(スキンチ)処理してあることが特徴だ。 特に装飾された唐草模様の茎は太さ0.3ミリ内外の金属単線を使って描写され、模様と模様の境界線は二本を一本により合わせた線を使うなど、きわめて精巧な技法が使われている。 博物館側は「高麗螺鈿漆器工芸の典型的な特徴をあまねく備えた名品で、最も優れた製作水準を示していると言える」として「日本の北村美術館に所蔵されていて日本の重要文化財に指定されている高麗螺鈿経箱と大きさ、模様の種類などでほとんど同等」と説明した。 1231年モンゴルの侵略により高麗が国の平安を祈るために仏教経典を結集した大蔵経を作ることになり、仏教経典を保管する経箱も大量に製作したものと見られる。 高麗元宗13年(1272)に経箱製作に当たった官庁である‘鈿函造成都監’が設置されたという<高麗史>の記録も螺鈿漆器の大量製作説を裏付けている。

 螺鈿漆器工芸は青磁、仏画とともに高麗を代表する工芸ジャンルだが、現在まで伝わっている遺物は極めて少ない。 韓国国内では国立中央博物館に螺鈿タイマイ(亀)で作られた仏教用具である払子一点だけが伝わっている。 過去に開かれた国立中央博物館特別展‘千年を受け継いできた光、螺鈿漆器’(2006)と湖巌美術館特別展‘大高麗国宝展’(1995)等で、韓国外に所蔵されているごく少数の名品を借りてきて一時的に展示したことはあるが、一般観客が普段から鑑賞できる機会は事実上なかった。 博物館側は「今回帰ってきた螺鈿経箱は日本でも最近になって知られた保存状態の良い最高の名品」とし「国宝級高麗文化財の国内帰還事例を作ったという点で重要な意義を持つ」と評価した。

螺鈿経箱の前面の姿

ノ・ヒョンソク記者 nuge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/646967.html 韓国語原文入力:2014/07/15 20:08
訳J.S(1529字)