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"朴槿恵、2つのドア 観なくて残念"

原文入力:2012/08/21 16:10(2242字)

←‘シネマ タル’キム・イルグォン代表. シネ21提供

<2つのドア>広報・配給 キム・イルグォン代表
独立ドキュメンタリーの社会的役割示したが
配給システムの限界 確認も
独立・芸術映画 上映 国家支援すべき
朴槿恵候補 観なくて残念
"2~3万人が目標でしたよ"

 しかし、封切り2ヶ月目の21日までに6万8600人余りを集めた。  「政治・社会的素材のドキュメンタリーを7万人が見たということはすごいこと」という彼の話のように、全国16館で封切りした独立ドキュメンタリー一編がおさめたこの数値は1000館以上で上映された商業映画<泥棒たち>が1000万人を超した興行力と肩を並べる。

 最近ソウル、中区(チュング)の韓国言論会館で会った‘シネマ タル’のキム・イルグォン(44)代表は龍山惨事を扱った<2つのドア>を広報・配給した。 彼は独立ドキュメンタリーの製作・配給だけ15年間にわたり続けてきた。 封切り費用を後援する834人の配給委員団を設け、観客の劇場団体貸館を誘導する‘劇場を占領せよ’という観覧運動を主導した。

 キム代表は「国家経済と金持ちになりたい欲望のために誰かが犠牲になっても仕方ないことではないかと黙認して、国家暴力に寛容を施した私たちの心の中の罪悪感に触れ、国家の役割を考えさせた作品」とし「墓の中に埋められた龍山(ヨンサン)・撤去民問題を懸案として引き出した映画であった」と話した。  「独立ドキュメンタリーの社会的役割を克明に見せた作品」だったということだ。 封切り以後、民主統合党は拘束収監中の龍山惨事撤去民の釈放要求を党論として決め、惨事が起きた龍山(ヨンサン)には市民が点した‘連帯のロウソクのあかり’が燃え上がるなど反響が大きかった。 彼は「独立映画館でなくソウル コエックス メガボックスでこの映画が上映される時、観客が映画が終わってエンディング クレジットが上がっているにも関わらず、胸が痛んだのか立つことができない姿を見た時は感動的だった」と思い起こした。

 彼は 「7万人という数値は独立映画がこの程度の観客層を持っているということを示した」としながら「特に民間独立映画専用映画館であるソウル インディスペースだけでこの映画を1万1000人余りが見たが、独立映画専門劇場の存在価値を確認した」と強調した。

←2つのドア

 そのような意味でキム代表は‘7万人も’という成果とともに‘7万人しか’見ることができなかった点についても言いたいとした。 「報道機関とツイッターであれほど話題になったのに7万人だけが見たというのは独立映画の配給システムの限界を確認させた」という話だ。

 「全国に独立映画専用映画館は4館、独立映画と芸術映画を上映する劇場は25館程度でしょう。 その結果、独立・芸術映画館がない済州(チェジュ)・昌原(チャンウォン)・水原(スウォン)・平沢(ピョンテク)・烏山(オサン)・天安(チョナン)などで観客が自発的に劇場を貸館してこの映画を観ました。 観客の需要があって独立・芸術映画館の供給が少ないということでしょう。 最小限、主要都市拠点に独立・芸術映画館を設立、拡大しなければなりません。」

 彼は「映画界の草の根である独立映画のために独立・芸術映画館の拡大を国家が政策として支援しなければならない」と語った。

 CGV、ロッテシネマなど大企業系列の複合上映館が独立映画に上映の機会をもう少し開いてくれることを期待した。 彼は 「収益を考えなければならない彼らの立場も理解できる」としつつも「<2つのドア>のように座席占有率が良い独立映画を複合上映館でも上映する柔軟さを示すべきなのに、独立映画の上映を原則的に排除している」と吐露した。

 「独立映画の上映機会を全国30ヶ館にもならない独立・芸術映画館に抑えておき、‘お前らはそこで遊べ’と追い詰める構造です。 あまりに小さいその生態系の空間に独立映画が集まっているんです。 結局、国家が乗り出しスクリーン寡占問題などを解かなければなりません。」

 彼は普通2~3年かけて撮影する独立ドキュメンタリーが製作費を回収するには「少なくとも観客5万人は集めなければならない」と語った。 そのためには「主要都市に1日2~3回は安定的に上映する独立映画館が7~8館があり、少なくとも全国40~50館で上映される条件が取りそろわなければならない」と話した。 彼は「<2つのドア>も10万人が観れば、劇場にお金を払っても製作・配給会社に3億ウォン余りが入ってくるが、ここから広報・マーケティング費3000~4000万ウォン、1億ウォン以上かかる製作費と人件費などを抜いて純益になる状況」と話した。

 キム代表は 「<2つのドア>が観客10万人に達することが出来たらうれしい」と話した。 「9月に始まる定期国会で龍山惨事真相究明を圧迫する象徴的な数値」を大切にするからだ。 彼は「野党圏の大統領選挙走者はこの映画を見たが、まだ朴槿恵セヌリ党大統領候補は観ていない」として残念がった。

ソン・ホジン記者 dmzsong@hani.co.kr,写真<シネ21>提供

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/548024.html 訳J.S