本文に移動
全体  > 文化

[このひと] "韓国民主化、過去事に変わるか、深い憂慮"

原文入力:2012/06/26 19:49(1359字)

←‘金大中学術賞’受けるソ・ギョンシク東京経済大教授

‘金大中学術賞’受けるソ・ギョンシク東京経済大教授
‘ディアスポラ’代弁してきた在日同胞
人権・民主主義のための文を書くことに努め
"独裁、戦いが止めばいつでも復活"

 弱者と少数者の側に立って‘ディアスポラの視線’で人権と民主主義実現のための真情あふれる文を書き続けてきた在日同胞ソ・ギョンシク(61・写真)東京経済大教授が今年‘後廣 金大中学術賞’を受ける。

 "ただの平凡な‘物書き’に過ぎない私が何かを認められたとすれば、それは差別を受けて無視される人々の視線で社会を眺め、それを絶えず文で表現してきたためでないかと思う。"

 ソ教授は25日、全南(チョンナム)大から先週末思いがけない受賞の消息を聞いてうれしかったとしつつ、自身の文を国内に紹介した出版社と翻訳者、そして読者たちにその功を回した。

 金大中学術賞は韓半島平和定着と民主主義、人権伸張に寄与した金大中前大統領の功労を賛え、5・18民衆抗争精神を鼓吹するために2006年に全南大が制定した。 受賞式は来月23日午前10時30分、光州(クァンジュ)の全南大で開かれる。

 "今までにこの賞を受けた方々はかなり以前から私が尊敬してやまない元老級知識人たちだ。 ブルース・カミングス先生は兄たち(ソ・スン、ソ・ジュンシク)が獄中にあった25年ほど前に米国でお会いしたことがある。 ペク・ナクチョン先生は1970年代からその方が書いた文を読んでいたし、私の本を初めて国内で出版できるようにしてくれた恩人でもある。 和田春樹、リ・ヨンヒ、カン・マンキル先生も全て直接教えを受けたことはないが、私には恩師のような方々だ。 私がこうした方々と同じ隊列に置かれることはできないという思いは今でも変わらない。 その方々がしてきた役割の何分の一でもやり遂げられるか、考えるほどに恐くてまた重い責任感を感じる。"

 それと同時に彼は「この賞の精神を一層普遍化し実現できるように努力しろという任務を与えられたと理解して、微力ではあるが最善を尽くす」と誓った。

 最近の韓国状況と関連してソ教授は長い歳月にわたり多くの犠牲を払って戦って勝ち取った民主化の果実が‘朝鮮時代’ ‘日帝時代’のように教科書に陳列されたもう一つの過去事として空洞化・歴史化しているのではないかとの深い憂慮を表した。 「ベルトルト・ブレヒトがドイツ ナチズムに対して警告したように‘この怪物を産んだ子宮はまだ健在’だ。 私たちが警戒心を緩め毎日の戦いを放棄すればそれはいつでも復活するだろう。」

 だが、彼は韓国人は「自らの力で社会革命を実践してきた貴重な経験があり、国家支配力から批判的な距離を維持し自立できる人々」とし、「その人々の力で平和と民主、人権を守れるかは韓国だけでなく東アジア全体の運命を左右するほど重大な意味を持った問題」と語った。

ハン・スンドン記者 sdhan@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/539679.html 訳J.S