原文入力:2012/06/24 19:09(2446字)
←龍山惨事を扱ったドキュメンタリー映画<2つのドア>を見るために24日午後、観客たちがソウル、鍾路(チョンノ)、新門路(シンムンロ)の独立映画専用映画館インディスペース劇場内に入っている。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr
16館で封切り…4日で5600人余り
独立映画としては最短期間 1万人 観客 超える公算
野党・アイドルファンなど団体観覧 相次ぐ
落ち着いた視線で事件の実体 再構成
ホン・ジユ監督 "特赦・国政調査の契機に"
23日夜、ソウル、鍾路区(チョンノグ)、新門路(シンムンロ)の民間独立映画専用劇場‘インディスペース’. 110席をぎっしり埋めた観客たちは上映直後に続いた‘監督との対話’でも席を外さなかった。売り切れのために次の回の上映を待っていた観客まで先に入ってきて劇場の後に立って聞くほどであった。 同じ時間にこの映画を上映したインディプラス、メガボックス コエックス、CGV大学路(テハンノ)など他のソウルの劇場でも売り切れだった。 共同演出者であるキム・イルラン監督はこの日観客に「封切り以後、一日一日が奇跡のようだ」と話した。
2009年1月20日に起きた龍山惨事を扱った独立ドキュメンタリー映画<2つのドア>(監督 キム・イルラン、ホン・ジユ)が封切り初週から売切熱風の中で熱い関心を集めている。
去る21日、全国でわずか16ヶ所で封切りしたこの映画は、24日までに観客5600人余りを集めた。 平日封切り初日からソウルの上映館が売切れて独立・芸術映画部門‘1日観客数’ 1位で出発した。 映画を配給したシネマ タルのキム・イルグォン代表は 「16館で(一日25回)上映して、初週から売切と同時に5000人を超したのは独立映画史上きわめて異例なこと」とし「今週この程度の封切り規模の独立映画としては最短期間で1万人を越えそうだ」と話した。
上映館が少ない独立映画は5000人を超すのが容易でない。 昨年話題作だったドキュメンタリー映画<鍾路(チョンノ)の奇跡>も封切り5週目で観客が5000人に達した。 序盤から人気を集めた独立長編映画<番人>も20館で上映した初週の観客は3977人だった。 2009年に296万人を集めたドキュメンタリー<ウォナンソリ>が封切り初週に一日30余回上映して7020人を集めたのが唯一だ。
<2つのドア>は国内外商業映画まで含めて‘ネイバー’と‘イエス24’の前売り順位で6位に上がった。 インディスペース側は 「独立映画であるから前売りを買わなくても大丈夫と考えて来たが売切れを見て帰った方々も多かった」と伝えた。
前売りを買わずには観るのが難しい程のヒット映画になった背景には、まず冷静な視線で龍山惨事を見回した演出の力があるという評価が多い。 <2つのドア>は撤去民5人と警察特攻隊1人が亡くなった龍山惨事当時の映像、警察の法廷陳述と撤去民側弁護人の意見等を通して残酷な‘その日’を再構成して国家公権力の暴力性を振り返ってみる。 チョン・ジヨン映画監督は「遺族のインタビューなどでなく、龍山惨事公判証言などで事件の推移を追いかけながら、劇映画を見るように事件の実体に接近する独特の手法を見せている」と話した。
社会性濃厚な映画<ルツボ> <折れた矢>がヒットしたように、正義に対する渇望と忘却に対する反省が観客を劇場に呼び寄せたという分析もある。 キム・イルラン監督は「(政治・社会の)絶望的状況を希望のエネルギーに変えたい人々の願いがこの映画との接点を形成し火がついたようだ」と話した。 インディスペースで会った観客ファン・ジフン(29)氏は「龍山惨事が忘れ去られていくことを心の重荷と感じて、この映画が出てきたので知人9人と一緒に見にきた」と話した。 ツイッターなどオンライン上には 「真実と向き合う力と勇気を与えた映画」という評価が上がってきている。
劇場封切り費用として計3000万ウォン余を後援したピョン・ヨンジュ映画監督など834人の配給委員団が周辺の人々を連れて劇場に来たり、‘ツイッター広報活動’を積極的に行ったことも力になっている。 先月29日に開館した独立映画専用映画館インディスペースで一日2~3回ずつ安定的に上映を保障していることもヒットの支えになっている。
<2つのドア>サイト(blog.naver.com/2_doors)を通じた団体観覧申請も力を加えている。 ホームレス行動・国家人権委・野党国会議員室などが団体観覧をし、来る30日には進歩新党でソウルCGV龍山1館を借り切ることにした。 アイドル グループ JYJファンたちも30日ソウル インディプラス1館で団体観覧を行う予定だ。
今週から上映館が全国21館に少し拡大するが、オンライン上では「複合上映館でも観たい」という要請が殺到している。 現在、全国のスクリーン数は1974ヶ(2011年基準)に及ぶ。 キム・イルグォン シネマ タル代表は「結局CGV、ロッテシネマ・メガボックスなどの複合上映館が(上映機会の)門をさらに開いてくれる必要がある」と話した。
<2つのドア>製作スタッフはこの映画が龍山惨事撤去民8人の釈放と、強制鎮圧だったという‘本当の門’を開く契機になることを願った。 ホン・ジユ監督は「(拘束された撤去民の)8・15特別赦免のための市民署名と、来る9月(定期国会で)龍山惨事真相究明のための国政調査がなされるよう国民的関心につながったらうれしい」と話した。
ソン・ホジン記者 dmzsong@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/539288.html 訳J.S