原文入力:2012/04/30 20:34(1803字)
軟骨がすりへり炎症・変形生じる
65才以上の老人 16%が発病
放置すれば悪化して手術必要
膝関節炎患者は注意を
中壮年層の肩疾患といえば‘五十肩’が思い浮かぶ。だが、肩退行性関節炎も無視できないほど多く発生しているという研究結果が出てきた。 肩の退行性関節炎は肩関節の軟骨がすりへり炎症が起こり変形が生ずる疾患だが、肩の痛みで日常生活にも支障が発生しやすい。 五十肩とは異なり放置すればますます悪化し、初期に適切な治療が必要だ。 最近の調査結果を基に肩の退行性関節炎について調べてみる。
■老人6人に1人の割合で肩退行性関節炎
肩は私たちのからだの中で上下左右360度回転が可能な唯一の関節だが、運動範囲が大きいだけに負傷も負いやすく歳を取れば老化もしがちだ。 実際、オ・ジュハン盆唐(プンダン)ソウル大病院関節センター教授チームが京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)に住む65才以上の老人679人を対象に調査した結果でも全体の16.1%が肩に退行性関節炎があることが明らかになった。 この研究は‘韓国人の健康と老化に関する研究’の一環で、肩に対する放射線撮影と肩の関節機能を問う質問検査を通じてなされた。 肩の退行性関節炎がある109人の中で77人は薬や物理治療などで治療が可能な初期だったが、23人は手術など積極的な治療が必要な中期状態であることが分かった。 また、9人は肩骨に激しい変形まで現れており、人工関節手術が必要な状態だと調査された。
肩退行性関節炎は高齢であるほど、他の関節に退行性関節炎があるほど、出現する可能性が高いことが分かった。 まず70才以下の老人と比較して71~74才の発病リスクが2.2倍、75才以上では3.4倍に高まった。 また他の関節に退行性関節炎があれば肩にもこの関節炎が生じる可能性が高かったが、膝に退行性関節炎があれば肩にも同時に現れる可能性が約2倍高いことが分かった。
■肩を少しだけ動かしても痛い五十肩とは異なる
中年以上で肩に生じる疾患の中で最もありふれている疾患は回旋腱板という筋が磨耗して生じる回旋腱板破裂だ。 この疾患は主に60~120度の間に腕を上げる時に痛みがある。 次に、肩に痛みがあれば最初に思い出す五十肩の場合には、肩疾患全体の中で5~20%を占める。 五十肩は関節を包んでいる関節嚢が炎症と共に癒着してしまい、あたかも肩が凍りついたように感じられ肩を少しだけ動かしても身をすくみあがらせるように痛むのが特徴だ。 これとは異なり、肩退行性関節炎は肩関節のクッションの役割をする軟骨が損傷したり磨耗して炎症が起き、変形する退行性疾患であり、すべての運動角度で痛みがあることが特徴だ。 初期には関節運動の範囲に問題がないが、末期に行くほど運動範囲が制限される。
■初期には薬や物理治療、進行すれば手術も必要
肩退行性関節炎は初期には薬や物理治療、補助具使用など非手術的な方法がまず勧告される。 この方法でも症状が続いたり激しくなる中期以後には関節内視鏡手術などが必要なこともある。 最近の健康保険資料を見れば、肩人工関節手術患者が2009年の77人から2011年178人へ2年で急増している。 それでも多くの人々は依然として肩に痛みがあれば一番最初に五十肩を思い出し、自然に症状が良くなると信じている。 関連専門医は肩に発生しうる肩疾患は種類が多様で診断も容易でないため、肩を専門に診療する医療スタッフを訪ねた方が良いと勧告する。
肩退行性関節炎は肩を過度に使うスポーツ活動や外部の衝撃または負傷が主要な危険因子として知られている。 このためテニスやバドミントンのような運動をする時には徒手体操や肩のストレッチングなどで十分にからだをほぐしてからするべきで、運動が終わった後には同じ方式の仕上げ運動を必ずするようにしなければならない。
キム・ヤンジュン医療専門記者 himtrain@hani.co.kr
助言:オ・ジュハン盆唐ソウル大病院関節センター教授、キム・ソンミン江西(カンソ)ヒムチャン病院長
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/health/530613.html 訳J.S