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[社説] 大統領のむなしい‘FTA再協議約束’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/505541.html

原文入力:2011/11/15 19:16(1111字)


李明博大統領が昨日午後国会を訪問して“韓-米自由貿易協定(FTA)批准案の発効後3カ月以内に投資家-国家訴訟制(ISD)の再協議を米国に要求する”と明らかにした。 李大統領は与野党の指導部に自分が責任をもって米国と再協議がなされるようにするとも話したという。 李大統領の発言は一見非常に進展した内容を含んでいるように思われる。これまで再協議の言葉が出てきただけでも拒否反応を示していたことに比較すれば重大な態度変化でもある。 しかし内容をよく見てみればこの提案は問題だらけだ。

まず米国側の明確な約束がない状況での一方的再協議要求がどんな意味を持つのか疑問だ。 米国が再協議要求に応じなければ無意味なうえ、たとえ米国政府がそれを受け入れても議会の承認手続きを踏まなければならない。 大統領府は“大統領の約束”を強調しているが、その言葉だけをもって批准案をいきなり通過させるには事案があまりに重大だ。 李大統領がそれほど自信があるのなら、批准案の国会通過をひとまず先送りして、米国側から再協議の約束を取り付けた後に議論しても遅くない。 わが政府が米国側と再協議問題を議論した様子もない。 今回の提案が、ひょっとして足下の火から消してみようというような、取り繕いの策でないかと疑わないわけにはいかないしだいだ。


李大統領は“(FTAに)何か問題があるのか、問題があれば大統領としてできる役割をすべて行う”とも話した。 しかし李大統領が気になると話した韓-米自由貿易協定の‘問題’はすでに何度も指摘されてきた。 単に投資家-国家訴訟制だけでなく私たちの国益と主権を脅かす数多くの毒素条項が協定の中に含まれている。 それにも関わらずこういう憂慮と心配をひとまとめに‘怪談’として罵倒し検察捜査の話まで持ち出し論じてきたのがこの政府である。李大統領の話に誠意が感じられない所以だ。


憂慮されるのは李大統領の国会訪問が FTA 批准案の合意処理の突破口を開くどころか、かえって強行処理を繰り上げる契機にならないだろうかという点だ。実際、ハンナラ党の大統領閥からは、批准案の合意処理を主張するファン・ウヨ院内代表とナム・ギョンピル国会外交通商統一委員長を糾弾して“交渉の指揮権を党代表に渡せ”という要求まで出始めた。李大統領の国会訪問が単に‘大統領も十分努力した’という名分作りで終わってはならない。


原文: 訳T.W