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[世相を読む] 韓-米首脳会談 錯覚現象/キム・ジョンデ

原文入力:2011/10/25 19:08(1794字)


14兆ウォン規模の米国武器を買おうとすれば
中型車64万5000台または携帯電話1億1180万台を売らなければならない


←キム・ジョンデ<D&Dフォーカス>編集長


李明博大統領が国賓資格で米国を訪問する直前に14兆ウォン規模の軍事装備を海外から導入する来年度国防予算案が国会に提出されたことは決して偶然ではない。首脳会談事前協議のため8月からチョン・ヨンウ大統領府外交安保首席とイム・クァンビン国防部政策室長が米国に行った時からすでに予想されていたことだった。 主要武器を遅くとも来年までに契約するために、国防政策を調整したのは大統領府のキム・テヒョ対外戦略秘書官と知らされた。

14兆ウォン規模の戦闘機、ヘリコプター、無人偵察機、戦闘機レーダーなどを買おうとすれば、我が国は中型車64万5000台を輸出したり、携帯電話 1億1180万台、または、チョコパイ550億4000万ヶを売らなければならない。その上これらの武器は導入しても30年間の運営には導入費用の少なくとも3倍に及ぶ莫大な費用が追加でかかる。 14兆ウォンという予想導入費用も実際に米国との交渉過程で20兆ウォンに肉迫するかも知れないという分析も出ている。 率直に言って筆者が大統領府に勤めていたら心臓が震えてしまい、こんな契約を推進する自信がない。 ところがイ政府は問題点を几帳面に確かめて見もせずに強行しようとしている。


武器導入決定が韓-米首脳会談の華麗なイメージ創出にどのように具体的に作用したかは明確でない。しかしキム・クァンジン国防長官が含まれた訪米団一行が出発する前に大統領府が直接国防予算に介入した情況が続々と明らかになっていることを見る時、その相関関係を察することは難しくない。米国の国防予算縮小により防衛産業関連企業の減る働き口を韓国の国防予算が補完するならば、オバマ大統領が歓迎しない理由はないためだ。米国最大の防衛産業業者であるロッキード マーティンは今年末までに1500人を減員することにした当初計画に続き、9月にはさらに540人縮小すると発表した。しかしこれは始まりに過ぎない。 だから韓国が武器を買うならばオバマ大統領の荷物が一層減るのは明確ではないか?


ちょうど14日にデトロイトGM工場を訪問したイ大統領は「韓-米自由貿易協定(FTA)は皆さんの働き口を守り働き口をさらに多く作り出すという約束をこの席でオバマ大統領と一緒にする」と話した。同じ論理で見るならば「韓国の国防予算が米国の防衛産業関連企業の働き口をさらに多く作り出す」という話もイ大統領がしているはずだろう?


一方、国内に帰ってきたイ大統領は18日ソウル空港で開かれた国際航空宇宙および防衛産業展示会に行くことにしていたが行事直前に突然これを翻意した。 来ることになっていた大統領が来ないことだけが我が国の防衛産業関連企業関係者たちを虚しくさせた唯一の理由ではなかった。外国の武器を導入するために武器国産化政策を放棄したりわい曲する現象をすでに体験している上に、大統領が来なかった理由もそのためだと早合点する雰囲気だ。盧武鉉大統領当時に推進することにしていた韓国型戦闘機、韓国型中型攻撃ヘリコプター事業は現政府末期に続々と延期・縮小・変形されている。 米国で働き口を創り出せば、正確にそれだけ韓国での働き口が減る間に、この展示会も国内業者ではなく外国業者の祭りになってしまったということが虚脱感の理由だ。


こういう喪失感を後にして米国の有力人士は「世界最高水準の韓国操縦士が世界で最も後れた飛行機を操縦していることが残念だ」という甘い言葉で米国武器中毒になるよう誘導する。 軍隊にも行っていない大統領府のある実力者の秘書官は「ステルス戦闘機を持っているという事実だけで北韓に恐怖感を植え付けられる」として自身の不足した軍事知識をそのように包装している。そのようにいい加減に勧められる韓-米関係が未来世代のための大きなビジョンとメッセージであるかのように感じられるのは錯覚現象だ。


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/502354.html 訳J.S