本文に移動

[朝の陽射し] 大統領府が‘内谷洞(ネゴクトン)土地’風水を見た理由は/キム・ジョング

原文入力:2011/10/11 21:10(1805字)


前任大統領を死に追いやったイ大統領が
退任後の安全を考え内谷洞の風水まで占ったとは
本当に憎たらしい


←キム・ジョング論説委員


李明博大統領にとって財産問題を巡る雑音は宿命のようだ。 大統領になる時も財産の不透明性で騒々しかったが、退任が近づくと私邸新築問題で騒々しい。 ‘BBK疑惑’に始まり‘内谷洞疑惑’で終わるドラマを見るようだ。
人は家に似て家は人の心に似ると言う。 故盧武鉉大統領がソウル生活をたたみボンハ村に降りて行ったのは余生を農村問題に直接向き合ってみようという意志と関係があった。 ボンハ村の私邸を設計した建築家、故チョン・キヨン先生は「盧大統領は美しい自然に帰依するのではなく農村で農作業もして村にボランティアもして自然も世話したいと言われた」として「(それで作る家は)土作りの家で、都市の人間には暮らしに不都合な家、しかし上品で自然と調和がとれた家」として設計することにしたと回顧した。

それで李明博大統領が退任後あえて論ヒョン洞の自宅を拒み内谷洞(ネゴクトン)に居を構えようとする理由は何だろうか。そしてどんな家を作って暮らそうとするのだろうか。 その深い内心を誰が知り得ようかとは言え、いくつか推理の端緒がなくはない。 子息イ・シヒョン氏と警護室建物の土地を共同で買い入れ、後で分けること、警護室予算の過多投入、形質変更特典疑惑など釈然としない種々の過程を見れば何か巧妙な‘財産管理’の臭いに満ちている。 こういう疑惑は今後、真相を一つ一つ明らかにしなければならないが、もう一つ興味深い事実がある。それは今春のことだが大統領府側が内谷洞の敷地が良いかどうかをある風水地理の専門家に諮問したという点だ。特に夫人キム・ユンオク氏が積極的だったという。


家を建てる際に風水を占うことはありふれたことだが、イ大統領の場合は少し違う。 良く知られているようにイ大統領夫妻は篤いキリスト教信者なので風水地理のようなものには非常に冷笑的だった。 2008年就任の始め、大統領府で開かれた報道機関 編集・報道局長団晩餐の席で‘大統領府の場所が悪く歴代大統領が不幸だった’という言葉が話題になるや、イ大統領が直接マイクを持ち「私は風水地理などは信じない」と公言した経緯もある。


そのようなイ大統領夫妻が内谷洞の敷地の風水地理に関心を示した理由は何だろうか。 それは‘退任後の安全’が今、大統領府の最大関心事になったことを示す傍証ではないか。 家の土地が良ければこそ一身が平安で家に福が宿るというのが風水地理の要諦であるためだ。 内谷洞私邸新築の理由が確実にそれだけではないが重要な背景の一つであることは明らかだと思われる。


イ大統領のこういう姿を見れば憎らしく思わざるをえない。農村に降りて行き素朴に暮らそうという前任大統領を困らせ死に追い詰めた責任から自由でない方が、今度は自分の退任後を心配し風水地理まで参考にするという点がなんともおぞましいからだ。


今後暮らす家の建築コンセプトは何だろうか。 自然との調和? 土と共に暮らす素朴な人生? いくら考えてもそのような概念とは距離が遠く見える。イ大統領が生きてきた履歴や家の敷地の位置、大きさなどを考慮する時、おそらく快適で安楽な老後の生活が最優先である公算が高い。


それでは内谷洞は暮らすに良い敷地なのか。元来、内谷洞一帯は朝鮮時代の有名な‘ホルルン論争’(太宗の墓であるホルルンの後の峠道の通行を許容すれば地脈を傷つける怖れがあるので閉鎖しなければならないという主張を巡る論争)の対象になった所だ。ある風水専門家は「イ大統領が自ら騒々しいところに訪ねて行ったもよう」と話した。そのような分析が当たっているか否かは分からないが、なぜか良い家の敷地ではないような気がする。 その土地を巡ってすでに途方もない物議が起きている点だけ見てもそうだ。 もっとも公明正大な道を捨て、便法とこすからい手を駆使して、どうして福を手に入れることができようか。 kjg@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/500240.html 訳J.S