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[なぜならば] 今の時代にまた見る中世紀判決/ウ・ヒジョン

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/494941.html

原文入力:2011/09/05 19:25(1700字)


ウ・ヒジョン ソウル大獣医科大教授
官営学者らの検証されてもいない私見に振り回された最高裁
判事たち 科学的事実を表決で決める滑稽な姿を演出


最高裁は米国牛肉拙速開放に対する<PD手帳>報道と関連した民事訴訟で、バランスの取れた判断を下した。だが、判決の中で‘韓国人のMM遺伝子型と人間狂牛病危険性報道’を虚偽と判断した。3人の最高裁判事はこの報道内容が虚偽ではないとの意見を明らかにしたが、多数意見は "人間狂牛病患者中、MM型を保有しない事例も発見され、動物実験結果でもMM型だけでなく他の遺伝子型でも人間狂牛病発生結果があるという事実、そして人間狂牛病発病には多様な遺伝子が関与し、一つの遺伝子だけで人間狂牛病発病危険が高くなったり低くなったりすると結論を下すことはできないという見解がある" という点を根拠に挙げ、MM型遺伝子型と人間狂牛病発病間の関連性を否定した。

だが、最高裁多数意見はこういう相関関係が虚偽だという判決を下しながらも、科学的根拠を全く挙げることはできなかった。科学的内容が虚偽と否定されるためには、例外事例ではなく反証研究結果が要求される。言い換えれば<PD手帳>放送を虚偽と判定するためには科学界が認めるに足るMM遺伝子型と人間狂牛病発病間の高い関連性が否定できる研究が成されなければならない。こういう研究がない状況で最高裁が科学的事実を虚偽と判示したことは、科学に無知な決定的誤りであり、恥ずかしい判例の代表的事例だ。これは科学事実が科学者の科学研究によるものではなく法廷でその真偽が決定された中世紀状況と似ている。 もちろん科学的事実は時間の経過により変わりうるが、それが当代の科学的事実の否定につながる論拠ならば、それは科学自体を否定することになる。現在の科学水準でMM型遺伝子型の人間狂牛病との相関性は明白な科学的事実であり、129番MM遺伝子型が人間狂牛病に脆弱だということは多くの研究結果とともに国内政府機関の指針書や教科書にも載っている。


今や最高裁判決により、MM遺伝子型と人間狂牛病発生間の高い関連性を学校で教えれば嘘つきとなる。これは政治的目的によって健全なマスコミ機能を弾圧した現政権と政治検察、そして科学的根拠もなしに司法府判断を曇らせた朝鮮・中央・東亜のような保守言論および官営学者らの作品だ。だが、政府や検察側の官営学者の中に狂牛病関連実験をする人はいないので、これらの主張は科学的意見ではなく単に自分たちの個人主張に過ぎない。


また、彼らは人間狂牛病は一つの遺伝子だけでは決定されないという当然の主張をすることにより人々を混乱させた。だが、その主張は最高裁多数意見が考えるようにMM遺伝子型を持つ人の人間狂牛病脆弱性を否定するものではない。前者は疾病を基準として発病に対し言及したものであり、後者は遺伝子を基準として疾病の発生との相関関係を明らかにしたものであるため、一つの主張が他の主張を排斥するものではないためだ。特定遺伝子の保有者が特定疾病発生に脆弱な事例はすでに医学界の常識であるほど多い。


科学は科学者らの実証的研究によるものであり、法廷や討論の場で決定されることではない。つまらない大衆メディアと官営学者らの検証されてもいない私見に振り回された最高裁判事が科学的事実を表決で決める滑稽な姿を演出したために、一面では偽証や捏造された証拠によってとんでもない判決を出した姿だ。国内でMM遺伝子分析を通じて韓国人の脆弱性を報告したキム・ヨンソン教授が「主張しようとするなら実際に研究論文で反論したら良い。実際に研究もせずに言葉だけで言う人々のために国民の混乱が加重されている」という話を法廷でした。科学時代の目覚めた判事ならば科学者皆が共感するこの言葉を決して軽く聞いてはならない。


原文: 訳J.S