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[なぜならば] 失業が恐くない国

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/492603.html

原文入力:2011/08/19 20:56(976字)


クレーン上で200日を超えて籠城しているキム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員を見ながら。失業の恐怖について考えてみます。
新聞でよく引用される失業率を見れば、我が国の失業率はヨーロッパ先進国に比べてそれほど高くない方です。最近の統計によれば我が国の失業率は3.3%で経済協力開発機構(OECD)平均失業率8.1%よりもはるかに低いのです。それでも我が国の労働者が失業を先進国より強く恐れ、暮らしが苦しいと感じるのは家長の収入が家庭を支えるために絶対的であるためです。

福祉がうまく機能しているヨーロッパの場合、失業率ははるかに高くても失業に対する恐怖は我が国よりはるかに低いのです。 よく整備された医療システム、無償教育、失業しても最大80%まで出てくる政府補助金、また、よく整備された再就職プログラム等を通して失業しても家庭を維持でき、また別のチャンスを求めることができる社会的安定装置がきちんと用意されているためです。大学を卒業したばかりの学生たちにもまた余裕があります。就職が直ぐにはできなくとも1~2年間は旅行をしながら自身を見つめようとする学生もいて、三々五々集まっては自身のアイディアで創業をしようとする学生たちもいます。


ある人はこんなふうに批判するかも知れません。 「全てのことを政府が保障すするならば政府補助金に頼って生きようとするだろうし、人々は怠けるようになるだろう。」だが、私が暮らしているここの人々はそうではありません。 むしろ自分がしたいことを探すために、さらに積極的で果敢なベンチャー創業にも熱情的です。 あたかもマズローの欲求段階理論(生理的欲求、安全感、愛と連帯感、自我尊重の欲求、そして最上位の自我実現欲求)のようにさらに高い欲求を求めて行くように見えます。


非正規職が増加している現在、また生涯雇用という概念がとうに失われた現在、そして福祉もまたきちんと整備されていない我が国で家庭の家長にとって失業は文字どおり絶望でありクレーンに上がる理由だろう。


キム・ヘシク フィンランド オルル在住

原文: 訳J.S