原文入力:2011/08/17 19:41(1557字)
匿名の障害者
私は4年前に事故で障害者になり車椅子を利用しています。障害者になってこの国で障害者として生きていくことがどれほど大変なことなののか、身をもって体験しています。家の外に一歩出ようとすれば段差があって車椅子が出入りできるかを先ず考えなければなりません。歩道へ車椅子に乗り上げようとしても段差があって誰かに車椅子を上げてもらわねばできない場合が多く、歩道ブロックが割れていたりデコボコしていて、いつ車椅子がひっくり返るかもしれないと不安で一人で通うことはできないのです。誰かの助けを必ず受けなければならないということが、どれほど屈辱的かご存知ですか? そうすれば生活半径が狭くならざるを得ません。
近頃はそれでも官公庁ごとに傾斜路を作り車椅子も出入りできるように施設を直してはいますが、実状を知ってみればあまり役に立たないケースが多いのです。傾斜路の傾斜がとても急で車椅子がひっくり返りかねない場合がとても多く、結局はまた誰かの助けを受けなければなりません。私が暮らす町内の住民センターも前に段差があり、階段もあるので私はいつも職員を電話で呼び出して道路で用件を済ませました。先日、車椅子傾斜路ができたがとても危険で一人では利用できません。障害者の実情を全く考慮していないためですね。 町内の派出所も同様の理由で傾斜路があって利用できず、さらに町内に新しく建った障害者福祉館までが障害者が主に利用する空間なのに車椅子が出入りするには各部屋のドアがとても狭くて困ってしまいます。
色々な理由で障害者が生きていくにはとても大変なのが現実ですが、私は事故後4年ぶりに初めて旅行を計画しました。ところで全国のどんな宿泊施設も障害者のための専用室はないということでした。国際観光都市だといつも広報している済州島にも障害者専用客室がある宿泊施設はありませんでした。オルレギル(小高い丘の道)に障害者車椅子で行けると大々的に広報をしていますが、だから何なのですか? 観光地に障害者のトイレがなくて障害者のための宿泊施設がないのに、どうやって利用しろというのですか? これ見よがしに騒ぎ立てているだけです。
それで結局、私は国内旅行をあきらめ日本旅行をしました。日本は一流ホテルではなくても多くの宿泊施設が障害者専用室を備え、トイレ、シャワー施設、洗面台等、細心なところまで気を遣っていましたよ。築10年を過ぎたホテルなのにこれら全てが施設されていました。観光地ごとに障害者用トイレがあり、建物の中には車椅子が移動できるエレベーターやリフトがあり、職員は障害者を最優先で最初から最後まで親切に案内してくれました。そのためか行く先々で車椅子に乗った障害者や老弱者がたくさん目につきました。それだけ観光するのに不便がないという話ですね!
外国人が我が国にくれば韓国には障害者があまりいないと感じると言います。姿が見えないのですから。いないのではなく外に出歩くのに不便だから、多くの障害者が家にこもっている残念な実情です。日本で小さな食堂に行きましたが個人が営むその食堂にも障害者用トイレがありました。
内国人が国内旅行が出来ずに外国へ旅行をするほかはない、この話にもならない状況が大韓民国の現実です。一日も早く文化体育観光部や保健福祉部は障害者のための観光施設政策を新しく作り障害者たちも思う存分旅行して人生を享受することができる機会を与えて下さい。障害者にも旅行する権利があります。
原文: 訳J.S