原文入力:2011/07/29 18:55(1191字)
韓進重工業事態は一介の事業場の労働争議の次元を越えて、韓国社会が抱えている葛藤と矛盾を凝縮して見せてくれる事件だ。 非正規職問題をはじめとして大企業の横暴、不当な労働弾圧などは政治家が全力を尽くして解決しなければならない重要な政治的社会的議題でもある。 今日また第3次“希望のバス”が釜山へ行くのもこのためだ。
ハンナラ党は昨日 民主党が要求してきた韓進重工業事態に関する国会聴聞会を受け入れる意向があると明らかにした。 これまで何もせず傍観してきた上に「公権力を動員して解決しなければならない」などといった主張までしていたことに比べれば、肯定的な変化だ。しかし、ハンナラ党が掲げた聴聞会開催の前提条件は納得し難い。 ハンナラ党は民主党側に「キム・ジンスクほか5人の不法高空籠城者の退去を積極的に努力し貫徹させること」を要求したのだ。 ハンナラ党特有の“救い難い発想”に由来するあいた口がふさがらないような要求条件と言わざるを得ない。
200日を超えて続いているキム・ジンスク氏のクレーン高空籠城は、韓進重工業事態の深刻さを示すアイコンとも言えよう。 不十分ながらも政界が韓進重工業事態にこの程度の関心を注ぐようになったのも、キム氏のすさまじい苦行があったからこそ可能だった。 整理解雇者復職など韓進重工業事態が円満に解決されない限りキム氏がクレーンから降りてこないだろうということも明らかだ。 こういう状況を知らないはずのないハンナラ党があえてキム氏の高空籠城解除を国会聴聞会の前提条件として掲げたことは、自ら事態解決の意志がないことを告白したのと同じである。
ハンナラ党がむしろ気を遣わなければならない部分は、チョ・ナムホ韓進重工業会長の聴聞会証人出席だ。 チョ会長は聴聞会の証人に採択された直後に出国し、一ヶ月半以上になるのに帰ってこようとしない。 これは国会の権能を無視し国会議員を侮辱する行為であって、ハンナラ党としては憤慨してこそ当然だ。 にもかかわらずハンナラ党はチョ会長の逃避性海外滞留は見て見ぬふりをしながら、キム・ジンスク氏の高空籠城解除ばかり唱えているのだから、お門違いにもほどがある。
最近ハンナラ党のキム・ヒョンオ前国会議長は、韓進重工業事態を政権の危機と規定して党と政府の積極的な対処を注文した。 彼はさらに「私も希望のバスを支持するプサン(釜山)ヨンド(影島)の住民の隊列に合流する問題を深刻に悩まざるを得ない」とまで言った。 ハンナラ党が深刻に耳を傾けなければならない言葉ではないかと思う。
原文: 訳A.K