原文入力:2011/07/07 19:14(1842字)
パク・ノジャ ノルウェー オスロ国立大教授・韓国学
3年余り前に分かれた民主労働党と進歩新党は、来年の選挙を控え統合の道を模索している。この摸索自体は望ましいと見る。 分党当時の核心的理由の一つは北韓政権を見る視角の差異だったが、去る3年間 李明博政権の超強硬反統一政策がこの部分に対する進歩内での意見の差異を逆説的に一部分解消させているようだ。北韓政権を‘反米闘争の前衛’と見ようが、解放的内容がひどく不足した‘韓国化されたスターリン主義’と見ようが、進歩主義者である以上は対立ではなく平和体制構築を指向するのであり、李明博政権の‘狂った反北韓政策’には同じ強度で反対するだろう。 北韓政権の性格をどのように見ようが、実践の次元ではどのみち軍縮と信頼蓄積、平和体制構築、北韓労働者の権利を尊重する条件下での経済協力などの政策が出てくるだろう。従って韓国型資本主義モデルが次第に危機に進入している今日のような状況では、進歩はおそらく‘理論的な’対北韓観の差を跳び越え社会変革のために共に仕事をすることができなければならない。
60余年間にわたる分断の無念な結果でもあるが、私たちがどんな対北韓観を持とうが それは北韓社会にいかなる現実的影響も与え得ない。統一政策に比較的に積極的であるような制度圏野党に期待をかけるような北韓当局の韓国政治に対する見解が韓国政界に格別な影響を与えないのと同じだ。進歩統合問題で対北韓観よりはるかに重要なことは、特に民主労働党当局者の間に大きく広まったブルジョア与党らとの連帯に対する過度な期待の問題だ。 単刀直入に言えば、彼らが今追求しているような野党圏連帯、すなわちブルジョア自由主義者らとの連帯戦略こそ長期的に真の(すなわち、階級的)進歩の死を意味する。支配ブロックの一部分である制度圏自由主義者らと野合する場合には進歩が進歩であることを自ら放棄することであるためだ。
韓国進歩の未来はどこにあるのか? 少数の輸出大企業と土建企業等を中心に回っている韓国型モデルにおいて本来の位置を得られずに、常に周辺を巡ることになる、事実上 社会の大多数を形成する非主流たちだ。難しい講義労働で月平均収入が40万ウォンに(!) 過ぎないうえ、未来どころか次の学期の講義日程も不透明な大学時間講師、狂った授業料を用意するために大多数がアルバイト戦線に追いたてられ、そこで約40%程度が最低賃金以下の時給を受け取るなどの殺人的搾取を体験している大学生、現存する体制で人間らしい働き口を得る可能性が殆どない青年失業者と就職待機者、大型マートらの商圏侵犯によりじわじわと滅びていく零細商人、3大保険加入率が30~40%に過ぎず賃金搾取と雇用不安に健康・老後・失業不安に常に露出している数百万名の非正規職労働者…。 今後、韓国の進歩政治を、まさにこれらの人々が導いていかなければならない。
だが、非正規職労働者と非正規職になることが明らかな青年たち、零細民、‘周辺部インテリ’等の政党となるべき統合進歩政党がもし初めからブルジョア自由主義者らとの野合を宣言するならば、果たしてどんなことが起きるだろうか? 果たして大学生は金大中・盧武鉉の自由主義的政権下で授業料が毎年6~7%という狂った速度で引き上げられたということをすでに忘れたのだろうか? 非正規職労働者は‘非正規職量産法’と呼ばれるほどの盧武鉉政権の非正規職法など反労働政策をすでに忘れたのか? ‘周辺部インテリ’たちは盧武鉉政権時期に博士学位所持者が非正規職法にともなう正規職転換の対象者からさえ除外されたということをすでに忘れたか? 執権10年間、韓国民衆生活の基盤をほとんど破壊した新自由主義的ブルジョア政党勢力らと進歩陣営が連合するならば、それは民衆に対する最悪の背信に該当するだろう。 果たしてそのような‘進歩’を民衆が支持する価値といえるだろうか? 進歩大連合が肯定的意味を持つためにはブルジョア政党らとの野合ではなく、民衆の独自の政治的組織化・勢力化こそが急務であろう。 それでこそ民衆が国の主人となる夢をいつか実現できるだろう。
ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/486331.html 訳J.S