原文入力:2011/06/13 21:39(1817字)
労働者は財布の中の紙幣がぬれるほどに汗を流したが…
←チン・ジュングォン文化評論家
"汗や水にぬれた紙幣を入れないで下さい。紙幣機に引っかかります。" あるトゥウィタリアンが撮って上げた韓進重工業の自販機にはこういう字句が貼られていた。紙幣が汗にぬれるほどならば、そこの労働者がどれほど熱心に仕事をしたのかを推し量って余りある。だが、この誠実な労働の代価として彼らに戻ってきたものはとんでもない整理解雇の刃だった。これに抗議するキム・ジンスク民主労総釜山本部指導委員の高空クレーン籠城は今日までに150日を軽く越えた。
‘連帯’の精神は民主社会の礎石と言われるが、私たちの社会でこの言葉は単に運動圏の色あせたスローガンとだけ見なされる。もちろん連帯は美徳であり義務ではないため、誰もそれを他人に強要することはできない。また、連帯出来ない人々にも自ら理由と事情はあるだろう。だが、連帯できないならば、最小限‘中立’程度は守らなければならない。そうでなければいっそ事案に対し完全に無関心でいるほうがマシだ。ところがそれさえしない悪い人々がいる。
←@yoon850218
いわゆる‘経済新聞’という表題を付けて撒かれるチラシなどに記事と論説を書く人々だ。
その中でタイトルからしてマネーが目的だと分かるある経済新聞の記事が私に特にストレスを与えた。"2年半を越えて受注‘ゼロ’韓進重工業に何が?" こういう問いで始まる記事は "韓進重工業、実績悪化にストライキ疲労. 3ヶ月後には仕事も‘ゼロ’" として、労働者たちを会社に疲労病でも起こさせるウイルス扱いをした。
記事を仔細に読んでみても労働者たちの主張は一行も載っていなかった。利害の衝突が起きれば、当然両側の立場を全て聞いてみてこそ判断ができるだろう。どうすれば取材の一度もせずに記事を書き、口から飯がとおるのかあきれた。彼が労働者に関し言及したことは唯一、ストライキ労働者がストライキに参加しない労働者たちを困らせているという内容だけだった。こうして ただ生存するためにもがいている人々が突然に組織暴力になる。
偶然にもその新聞を読んでいておもしろい記事を発見した。ある証券会社が「相対的にドック事情に余裕がある韓進重工業の営業マージンが高まると展望し造船業種最選好株(トップピック)に挙げ目標株価を上方修正した」という内容だ。「受注を休んでいた韓進重工業が受注を再開した今は、それこそ販売者市場(Seller’s Market)」なので「さらに高いマージンの物量で2012~2013年のドックを満たすことができるだろう」という診断だ。
その理由はすなわち、「造船産業でドック事情は船舶価格を決める上で最も大きな影響を及ぼす。ドックが空いていてすぐに作業に入れるならば船舶引渡しまでにかかる時間を大幅に減らせるため」とのことだ。一ヶ月前に実績悪化で受注ゼロでストライキ疲労だと言ったその会社の株式が、ストライキも終わっておらず実績改善もないのに、一ヶ月後には最選好株として登板するこの深奥で幽玄な道理を私としてはとうてい理解しようがない。
ともかくこの新聞の記事によれば、韓進重工業は2008年9月から今日まで2年半の間、受注実績が‘0’だという。この中にはとても貴重な真理が含まれている。労働者は財布の中の紙幣がぬれて自販機が故障するほどに汗を流して働いたが、経営陣は結局 何と2年半もの間、高額の年俸をとっておきながら ぶらぶら遊んでいたという話。それなら当然解雇しなければならないのは労働者ではなく経営陣ではないのか?
労働者たちに整理解雇を通知したすぐその翌日、経営陣は成果給として170億ウォンの株式配当パーティーをしたという。 健全な市場経済を蝕む‘モラル ハザード’の典型だ。2年半の受注実績が‘0’。長期ストライキで会社を危機に追い詰めた経営陣にその有名な言葉を返そう。"働かざるもの食うべからず" それだけでは足りない。働かずに食べたお金はガチョウ羽毛を使ってでも吐き出さなければならない。
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/482507.html 訳J.S