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[時論] 緊急を要するソウル大法人化法 改廃/チョ・グク

原文入力:2011/06/06 19:30(1836字)

朝鮮時代儒者らの‘捲堂’‘空館’が起きれば
朝廷は‘開諭使’を送り彼らの話を聞いた

←チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授

ソウル大生がソウル大法人化に反対し総長室など本部建物を占拠座り込みする初の事態が起きた。最近まで政界は選挙勝利に余念がなくソウル大法人化に大きな関心を示さなかった。ソウル大当局もソウル大法人化法通過以後、法人化反対論の主張を傾聴し受け入れることに消極的だった。そして鬱憤に充ちた学生たちは非常総会を開き本部占拠という実定法違反を敢行した。

ソウル大法人化法は手続きと内容、全てに深刻な問題がある。この法は昨年末、国会該当常任委での討論と合意もなしに職権上程されハンナラ党により闇討ち通過した。ソウル大はもちろん今後、全国の国立大の命運を左右することになる法をこのような形で作るとは、大学構成員として侮辱感を感じざるを得なかった。

より一層重要なのは、この法がそのまま施行されれば‘大学の自治’という憲法的原則が毀損され、収益中心の大学運営になる危険があるという点だ。先ず最高意志決定体の理事会構成と予算確保など、学校運営の大部分が政府に従属する。ソウル大総長の席が事実上 執権政派の論功行賞の席となり、このように任命された総長は単科大学長を選挙なしに指名できるため、大学が総長を頂点とする上命下服のピラミッド体制として運営される憂慮が大きい。また、法人化されたソウル大が収益中心に運営され基礎学問が冷遇され、授業料は私立大水準に上昇する危険を内包している。

学校内外で学生たちの行動は不法であるとか強制解散、学事懲戒、刑事処罰、損害賠償請求などをしなければならないという声が出てきている。このような強硬論は事態の根本原因を無視し実定法違反だけを問題にすることであり正しい対策を用意できず、むしろ事態を手のほどこしようもなくさせるだろう。朝鮮時代、成均館の儒者らにも自分たちの主張を貫徹するため‘捲堂'と‘空館'という集団実力行使を行うことが許されていたことを記憶するよう願う。

一方、座り込み中の学生たちは節制された態度を堅持することをお願いする。ささいな逸脱も学内外の猛非難を招き得て、その場合 座り込みの問題意識は埋められてしまいかねない。1991年盧泰愚政権時期に総理就任を控えたチョン・ウォンシク教授に対する学生たちの卵投擲がいかなる結果を産んだか留意しなければならない。チョン教授が長官時期に全教組弾圧の主役であったという点は消え、学生たちには‘背徳者’という烙印が捺され、学生運動界は相当期間 困難に直面した。

今回のソウル大本部占拠座り込みはソウル大法人化法改廃の出発点としなければならない。ソウル大法人化法は日本式法人化法をモデルとし、政府の影響をより一層強化する方式で作られた‘悪法’だ。与野党政界は遅くとも9月定期国会でこの法の改廃に着手しなければならない。

現在、ソウル大を含む国立大体制には変わらなければならない点が多い。高等教育の公共性と国際競争力を全て強化し、政府の不当な干渉を排除し、組織の放漫さを整理する必要がある。そのためには法人化しないまま現在の体制を改善する方法、ドイツのように国立大を公法人に変える方法、米国州立大法人のように理事会構成を民主化する方法などがある。 これら全ての可能性を開けておき検討して結び目を作らなければならない。 政界の誤りによる負担を大学が被る事態は迅速に終えなければならない。

一方、ソウル大本部は拙速に法人化を推進してはならない。法が通過した以上は仕方ないという対応では不十分だ。法人化反対派の声を反映する公式通路を作らなければならない。一番重要なのは学生たちに会いまた会うことだ。朝鮮時代‘捲堂’や‘空館’が起きれば、朝廷は儒者らに‘開諭使’を送った。学校と学生、両者が相手を‘敵’と規定すれば事態は解決しない。座り込み早期終了のために、いかなる合意事項を案出しなければならないか、各自悩み対話しなければならない。このような状況で強硬論を守るのは容易いことだ。しかし今、必要なことは‘大学の自治’精神を尊重する勇敢な妥協だ。

原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/481448.html 訳J.S