原文入力:2011-03-25午後07:54:05(1555字)
ハン・スンドン記者
リビアと日本。両国で起きていることは何の相関関係もないように見えるが、実は密接な関連がある。問題はエネルギーだ。
チュニジアとエジプトなどのデモには直接介入しなかった米・仏・英などがなぜ リビアには介入したのだろうか。色々な理由があるだろうが、核心は石油だ。リビアは毎日179万バレルの原油を生産(2009年)し、154万バレル程度を輸出(2007年)している。埋蔵量は470億バレルで世界9位だ。天然ガスの埋蔵量も世界33位だ。チュニジア、エジプトなどとは比較できないエネルギー大国だ。
リビア東西分断案が流布されているのも結局 石油のためでありうる。リビアの石油の大部分が抵抗勢力が掌握した東側に集まっている。
2008年主要8ヶ国(G8)首脳会議の時、日本は2050年までに温暖化ガスを60~80%も減らすと宣言した。その背景にいわゆる‘原子力ルネサンス’が位置していた。1979年スリーマイル原発事故、特に1986年チェルノブイリ原発事故以後、世界は原発に対する幻想を捨てた。そして大多数の国々が既存原発を廃棄したり追加建設計画を放棄する側に方向を定めた。ところがこういう流れを拒否した国々がまさにフランスと日本、韓国だ。米国もブッシュ政権以来そちら側へ方向を変えた。温暖化ガス縮小とオイル価格高どまり圧迫もそのような方向転換を煽った。原発市場も復活し大きくなった。こういう原発ルネサンスを主導している国々とリビア内戦に介入した主要西側諸国が概して重なる。
日本は2008年にすでに原子炉と発電タービンなどを10年内に倍加するという計画を立て、東芝と三菱重工業、日立など大企業らにその任務を任せた。大規模技術者採用計画まで編成した三菱の提携社が世界最大の原電事業体であるフランス アレバだ。そして東芝はウェスティングハウス、日立はゼネラルエレクトリックと手を握った。これらが世界の原発市場の大手だ。世界原発市場の半分を東芝-ウェスティングハウスが左右しているのだ。リビア空襲では日本は見えないがエネルギー事業で日本と手を握った国々は多い。
‘原子力立国’を掲げた日本自民党政権は10年以内に原発依存率を40%に高めることにし、福島原子力発電所とも遠くない六ヶ所村にのみ使用済核燃料を年間800t(プルトニウム8t含む)ずつ処理し混合核燃料(MOX)形態のプルトニウム 再活用(リサイクリング)を試みる大仰な計画をたてた。その時が安倍晋三、麻生太郎など自民党極右リーダーらの執権時期で、国家安保を核に依存しようとしていた彼らの信条が投影されたものだ。福島原発事故で明らかになったが、さらに深刻なことは北核ではなく日本の核ではないのか? 日本の反核平和というものが米国の核の傘に寄り添った同盟関係を前提とする自己矛盾的なものだという指摘はかねてよりあった。
民主党執権後にも日本は変わらなかったし、韓国保守政権もその後に続き原子力ルネサンスという幻想列車に飛び乗った。福島原発事故はそれが白昼夢であることを再度悟らせた。福島原発事故は世界のエネルギー産業史の "ターニングポイント" になるだろうと言った人はアンゲラ・メルケル ドイツ総理だ。原子力発電所を放棄し再生エネルギー側に方向を変えたドイツが、リビア攻撃に加担していないことも示唆的ではないか。破れた夢ははやく破れるほど良い。 先任記者 sdhan@hani.co.kr
原文: 訳J.S