原文入力:2011-01-14 午後09:22:21(1047字)
独裁政権が犯した容共・スパイ捏造事件の被害者に慰謝料を支給する時は、拷問と捏造など不法行為が行われた当時から利子を計算すべきではないという大法院判決が下された。 不法行為による損害賠償で不法行為が行われた時点を基準として利子を計算する我が国民事法の一般的な原則に外れる判決だ。大法院は判決文でこの原則を認めながらも、今回は「例外的にでも」しばらく前の控訴審弁論終結日から利子を計算しなければなければならないと主張した。
だがそのようにしなければならない法的根拠は全く提示できなかった。
裁判所が明らかにした理由は苦しいことこの上ない。 不法行為の時点が数十年前なので原則通り利子を計算すれば国家が支払わなければならない賠償金があまりにも大きくなるというのだ。 実際に被害者が受け取ることになる賠償額は今回の判決で大幅に減った。 結局国家が過去国民に犯した誤ちに対する責任まで、ごり押しで削ったという格好だ。 それも正義と人権の砦でなければならない裁判所が自ら法の原則を無視してまで率先してやったわけだから、より一層驚かされる。
今回の判決は過去の誤ちを正すという司法府の約束とも合わない。 判決の対象になった<民族日報>事件、アラム会事件、北に拉致された漁夫のスパイ事件などは、過去に権威主義・軍事独裁政権がでっち上げた事件であることが最近再審で確認された。 ここに至るまで数十年の間、被害者たちはスパイの汚名を着せられたまま不当な苦しみを受けなければならなかった。 彼らに対する賠償は、その被害を回復させようとする最小限の措置だ。にもかかわらず、定められた基準の通り正当に賠償するどころか彼らにだけとんでもない例外を突きつけたのだから、司法府がまたもそそぐことのできない過ちを犯したことになる。 二度と再びこういう国家犯罪が起きないようにあらかじめ厳しく懲罰するという効果もかなぐりすてて。
今回の判決で裁判所は、法理よりも政治的考慮を優先させたという批判を避けられなくなった。 原則が揺れてしまったのだから、今後個別の事件で具体的正義を実現することも一層危うくなった。こういう判決を出しても恥ずかしくないのか訊ねたい。
原文: 訳A.K