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[社説] チョン・ドンギに続きキム・ソクキまで…人事の跛行 どこまで

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/458093.html

原文入力:2011-01-10午後08:56:54(1243字)

ハンナラ党指導部がチョン・ドンギ監査院長候補に対し‘不適格’判定を下し自主辞退を促した。与党指導部が国会人事聴聞会の開かれる前に大統領の人事内容に集団的拒否意思を明らかにしたことはかつてないことだ。それだけ今回の人事の無謀さを傍証する。今やチョン候補の自主辞退と関係なく事実上チョン監査院長カードは川を越えた。
ハンナラ党の集団的‘反旗’の後暴風と波紋は侮れなく見える。何より大統領府の相次ぐ誤った判断が繰り返す人事波動の主犯という事実がより一層明確になった。大統領府は12・31改閣以後、チョン候補の欠格事由を指摘する声が相次いだにも拘らず 「聴聞会でよく説明すれば誤解が解ける」などの楽観論だけを繰り返し与党に後頭部を殴られた。

事態がここまで広がったのは状況把握に鈍感だったイム・テヒ秘書室長やクォン・ジェジン民政首席など大統領府補佐陣の責任も大きい。だが、結局すべての責任は李明博大統領に戻るほかはない。自身の秘書出身をして、憲法上独立機関である監査院の長をさせるという無謀な発想から、相次ぐ道徳的欠陥に対し 「別に問題にならない」という安易な認識が問題の核心であるためだ。

繰り返される人事波動の悪循環を切るには結局イ大統領の人事哲学を変える道しかない。国民の高まった目線の高さを恨む前に自身の倫理基準を高め、世論の難しい定規を恨むのに先立ち自身の二重定規を捨てるべきだ。自身が人事権者だから、どの席に誰を座らせてもかまわないという傲慢と我執から抜け出さなければならない。大統領の誤った選択に対し参謀らが‘ノー’と言える雰囲気を作ることも結局はイ大統領の役割だ。だが、イ大統領が果たして省察し、また反省しているかは疑わしい。むしろ今、イ大統領は‘人事は別に問題がないのにハンナラ党が世論に付和雷同した’と不満たらたらのそぶりだ。

龍山惨事の責任を負い退いたキム・ソクキ前ソウル警察庁長官が再び日本、大阪総領事として復帰するという便りもやはり、イ大統領の人事基調が変わっていないことを見せてくれる。キム前庁長の無理な鎮圧指示で無念に亡くなって行った撤去民と警察官の霊魂が地下で号泣しているに違いない。彼の特任外交官起用が大統領府の強力な要求に従ったものであることを分からない人はいない。イ大統領の無理な‘報恩人事’で、大統領府があれほど強調してきた外交部の人事刷新要求も見るべきものがなかった。

イ大統領が今 心配しなければならないことはハンナラ党の反旗にともなう権力漏水ではない。誤った人事哲学を棄てない限り人事波動は果てしなく続き、レイムダック現象もより一層加速化するほかはないということを分かれば良い。

原文: 訳J.S