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[社説] 頭を下げて謝らねばならない人はまさにイ大統領

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/437326.html

原文入力:2010-08-29午後09:12:04(1270字)

キム・テホ国務総理候補者とシン・ジェミン文化体育観光部、イ・ジェフン知識経済部長官候補者が昨日辞退した。遅いとは言え当然の結果だ。これらの去就問題を巡り起きている消耗的対立と葛藤を考えれば本人のためにも国のためにも不幸中の幸に違いない。

3人が落馬することになった直接的原因は言うまでもなく、これらの道徳的欠陥に対する国民の怒りが天を刺したためだ。だが、根本的には傲慢と独善で綴られた8・8改閣がもたらした自充手と言える。疎通と和合という民心の要求に逆らい政治的イメージ効果と親政体制構築を狙った無理な手がどんな致命的結末につながるかを今回の波動はよく見せる。

たとえ3人が辞退したとは言え、これで終わりではない。他の候補者らは分からないが少なくともチョ・ヒョノ警察庁長官候補者の持ちこたえは容認し難い。彼は前職大統領と天安艦犠牲者遺族たちに対する妄言に偽装転入など法律違反行為前歴まであらわれ、すでに治安総帥としては非適格判定を受けた状態だ。3人が退いたところに彼を警察庁長官に任命することは公平性次元でも正しくない。

3人の中途下車は形式的には自主辞退の形式を借りたが、実際には大統領府側の指示と推奨があったと見るのが常識だ。したがってチョ候補者の去就問題もやはり鍵は大統領府が握っている。大統領府が民心に順応する態度表示を決意したとすればチョ候補者もすっきりと整理するのが正しい。

今回の事態を通じて最も反省し省察しなければならない人は他でもない李明博大統領だ。大統領府はこれら候補者の欠陥内容をあらかじめ知っていたが、イ大統領が「仕事さえ上手くできれば良い」として、そのまま押し通した。こういうイ大統領の我執が結局、内閣人選案をつぎはぎで作ってしまったのだ。今回の人事聴聞会は‘陳謝聴聞会’という話が出るほどに候補者たちがずっと「申し訳ない」として頭を下げ続けた。だが、本当に国民に謝らなければならない人はまさにイ大統領だ。穴のあいた大統領府人事検証システムに対する全面的な手術や民政首席・人事秘書官など参謀陣に対する問責ももちろん必要だ。しかし、イ大統領の人事哲学が根本的に変わらない限り、いくら制度を整備して人事実務者を変えても誤りは繰り返されざるをえない。

今や関心の焦点は総理候補者をはじめとし中途下車の後任者にどんな人物を選ぶことが出来るかに集中している。もしイ大統領が今回も回転門人事、側近重用人事などに固執するならば、その時は復元不能な荒々しい民心の抵抗に直面するだろう。イ大統領は人材不足のせいにしてはならない。発想を変え視野を広げてみれば良い人材は散在している。今回の事態を契機にイ大統領が傲慢と独善から抜け出し新しい国政運営の姿を見せることを期待する。

原文: 訳J.S