新古里1号機は稼動して2年にならない新しい原発なのに制御棒の制御系統に問題が生じて停止した。制御棒は核分裂連鎖反応を調節する重要な装置だ。制御棒が故障すれば原子炉が過熱されたり炉心溶融で爆発することもありうるという。7月の霊光6号機と8月のシンウォル1号機も制御棒の制御系統の故障で停止したことがあり、異常な警告として受け取るに値する。根本的な原因をつぶさに確かめてみないまま、問題が発生した部品だけ交替して再稼動すると、問題はまた発生して大事故につながる可能性はより高まる。
給水ポンプの異常で故障した霊光5号機は偶然にも新古里1号機のような韓国型原子炉だ。2000年から先月までに発生した105件の原発事故と故障のうち39件が韓国型の原子炉で発生したという。新しい原発である韓国型原子炉の故障率が減らないでいることに対する原因糾明もなされなければならない。霊光5号機は2002年5月に商業運転を始めて以来何と17回も故障を起こした。
ヨーロッパ連合執行委員会は加盟国の原発に対するストレステストをした結果、143個の原発に対する補修作業が必要だと分かったという。今回のストレステストは老朽化やテロ攻撃、人為的ミスなど致命的な危険を考慮していないという指摘を受けているが、補修作業に必要な費用だけ240億ユーロ(34兆5000余億ウォン)に達すると予想した。ヨーロッパ最大の原発国のフランスでも58個の原子炉で不備な点が見つかったという。原発を作り、そして閉鎖するのに天文学的なお金がかかるのは言うまでもないが、日常的な維持・保守費用も決して侮れないということを如実に示している。原発の拡大で直接的な利益を受ける原発族でなければ、こういう事情を知ると原発が経済的という主張に同意しにくいだろう。
さらに大きな問題は安全性だ。新古里1号機と霊光5号機の事故原因を糾明する次元を越え、国内の原発全体に対する安全点検を改めてしなければならない。
原文: 訳T.W