記事登録:2012/09/21 19:09
国際救護団体であるワールドビジョンの対北朝鮮水害支援用小麦粉500tが昨日、北側に送られた。この小麦粉は水害が激しかった平安南道(ピョンアンナムド)、安州市(アンジュシ)と价川市(ケチョンシ)の幼稚園と小学校に配られる予定だ。洪水と台風で大きい被害にあった北の同胞に少しでも役立つことを願う。ワールドビジョンの今回の支援は昨年末の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長死亡後 初めての対北朝鮮支援という大きな意味がある。 だが ‘政府支援’ でない民間支援という点で後味が悪い。
政府支援がなされなかった責任は南北両当局にある。南側は今月初め北側に水害支援を提案し、北側は支援品目を知らせてくれとして受け入れの意向を明らかにした。これに対し南側が小麦粉1万tとラーメン300万個、医薬品など100億ウォン分を優先的に支援し、さらに追加支援することができるという意を伝えた。しかし北側は自分たちが願う米とセメント、重装備などが入っていないことを知ってすぐに拒否した。
北側が何を望んでいるのかを明確に知りながらあえて彼らが願うものをすっぽり抜いた支援目録を送った南側の姑息さをまず嘆かざるをえない。同族でない外国の場合でも与える側は受ける側が必要とするものを最大限配慮して、受ける側の自尊心が傷つけられないよう気を付けなければならないのが人道支援の常識であり原則だ。南側は米、セメントなどは軍事的に転用される恐れがあるという論理を展開しているが、そのような形で迫るなら最初から何も支援しないのが最善であろう。北側も多くの住民が困難にある状況で、多量の政府支援を断ってしまい微々たる民間支援だけを受け入れたことは水害支援を民生支援でなく政治の道具に利用しているという疑いをかけられるに値する。
政府次元の支援霧散は苦境に立たされた北の住民を助けることができなかったということにとどまらない。李政権の任期中に梗塞した南北関係を緩和する最後の機会まで消してしまった。これに伴い‘非核・開放・3000’と5・24措置に象徴される対北朝鮮強硬政策と最悪の南北関係を解決する課題は次の政権へ持ち越されたといっても過言ではない。
現代経済研究院が一昨日発表した対北朝鮮専門家112人を対象にしたアンケート調査を見れば、進歩・保守を問わずひとりも次期政府が李政府の対北朝鮮政策基調を維持することに賛成しなかった。理念指向と関係なくすべての専門家が現政権の対北朝鮮政策に対して ‘NO’ と言い政策転換を要求したのだ。次の政権を担当する人々はこのような指摘を重く受け止めて断絶した南北関係を建設的に復元することに全情熱を傾けることを望む。
原文: 訳T.W.