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[社説]キム世界銀行総裁に改革と貧困撲滅を期待

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/528706.html原文入力:2012/04/17 19:15(1299字)
 キム・ヨン米国ダートマス大総長がこのほど世界銀行(WB)理事会で次期総裁に選出された。1946年の発足以来有色人種としては初めて世界銀行首長席に上りつめたキム氏の責務は重大だ。 中国やブラジルなどの途上国が世界銀行の改革を強力に要求しており、これらの国は貧困問題解決を目標にしている世界銀行の総裁は開発途上国が引き受けねばならないと強く主張した。オバマ米国大統領が、保健医療の専門家でありアジア系米国人であるキム次期総裁を推薦したにはこのような途上国の雰囲気が作用している。
 新自由主義世界化と金融危機のあおりで貧富格差が深刻化して、世界銀行の役割はますます重要になっている。しかし世界銀行は後進国の経済復興を目的に作られものの、これまでは先進国の影響により成長と開発を追求してきた面がある。融資と援助を与える代わりに経済開放と規制緩和を強要することによって途上国の国民の生活の質向上よりも西欧資本に奉仕しているという批判も受けてきた。そうした点でキム次期総裁が既存の慣例に挑戦して世界銀行の改革を導くと抱負を明らかにしたことは幸いだ。まず開発途上国の参加を拡大して貧しい国々の声に耳をさらに傾けて世界銀行の運営を民主化しなければならない。また、成長より分配と貧困撲滅に力を注いで開発中心の事業を教育・保健・環境・女性など多様な分野に広げなければならない。
 世界銀行はこれまで各国政府に借款を提供して社会インフラと経済水準を引き上げる方式で事業をしてきた。だが今や世界の貧困層の3分の2が中進国に居住するほど国家内の貧富の差が深刻化した。貧困の原因もまた、世界化と気候変化などで多様化し、地域問題化する傾向がある。世界銀行が全世界の多様な経済問題に介入して戦争や自然災害にあった国の支援をするのは当然だが、それだけに、任務と地位が不透明だという指摘も出ている。中国やブラジルのように現金を抱えた国家が貧困国の開発投資をリードし、救済事業分野でもビル・ゲイツ財団のような民間団体の力が大きくなっている状況の変化もある。
 そのような理由から、昨年基準で各国に2580億ドルを支援している世界銀行はいっそう戦略的な接近が要求される。個別国家よりイシューおよび領域中心に事業を進めて特定の社会や問題に適合した個別の計画プログラムを開発する必要がある。‘制服を着た民間人’という世界銀行の官僚主義文化も改革の対象だ。
原文: 訳T.W
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