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[社説]恐怖の古里原発、選挙で廃棄すべき

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/525884.html記事登録:2012/03/29 19:16 (1640字)
 古里(コリ)原発が位置する釜山(プサン)機張郡(キジャングン)長安邑(チャンアンウプ)の住民たちが古里1号基閉鎖を主張して集団行動に出た。長安邑の住民自治委員長とセマウル指導者会長ら発展委員会は政府に古里原子力発電所1号基無条件閉鎖を要求することを一昨日決議したという。反核市民団体でもない住民代表が立ち上がって、民間支援補償もいらないとして、条件を問わずにこのような要求をするのを見れば地域住民たちの不安がいかに大きいか推しはかれる。
 住民たちは今回の4・11総選挙に出た海雲台(ヘウンデ)・機張乙区の候補5人に古里1号基の閉鎖を公約に反映するように促す公文書を送る予定という。1号基の閉鎖を拒否した候補に対しては事実上落選運動を行うという意味だ。地域住民にとって1号基は恐怖の対象であり、住民たちの状況はそれほど差し迫っている。先立って釜山市(プサンシ)議会と蔚州郡(ウルチュグン)議会も古里1号基の即時閉鎖を建議したことがある。
 古里原子力発電所には現在5基が稼動、3基が建設中で、さらに4基の建設が計画されている。そうなると世界最大の原発密集地域になる。原子力発電所の半径30km内に住んでいる320万の住民たちの命を担保に危険な賭けを行うわけだ。特にすでに予定稼動年数を5年も越えた1号基ではこれまでに大小の事故が起きてきた。最近では重大事故の隠ぺいまであり、住民たちには原発の当局を信じるすべがない。古里原発がある釜山機張だけでなく慶州(キョンジュ)・蔚珍(ウルチン)・霊徳(ヨンドク)・三陟(サムチョク)など原発が稼動中や建設候補地に選ばれている地域が総選挙を控えていずれも沸き立つのは当然だ。
 こうしたことは原子力発電所の周辺地域住民たちに限った問題ではない。原子力発電所で生産された電気を使いながら発電所の地元の苦痛に鈍感なのも間違っているが、大きい事故がおきれば発電所の近隣地域だけでなく全国土が放射能の被害をこうむるほかはないためだ。根本的に原発の安全維持と廃棄物処理問題が現在の人間の能力には解決しにくいというのが明確になっただけに、原発の依存度を低くして脱核にかじを切らなければならない。
 今回の選挙は有権者が市民の生命と安全を担保にした原発政策をこれからも維持するか否かを選択できる機会だ。実際にオーストリアでは10億ユーロを投じて作った原発を賛否の世論盛り上がると、稼動もさせずに国民投票で廃棄したことがある。民主統合党は原子力発電所の追加建設計画を全面的に再検討して予定稼動年数を終えた原発の寿命延長に反対しており、他の野党も寿命が来た原発は閉鎖しようと訴えている。反面セヌリ党は短期間に原子力発電所に代わる方策がないとして、原発の追加建設は必要な代わりに安全に積極的に対応しなければならないという立場だ。また比例代表の名簿1位に古里原発1号基の稼動期間延長の審査に参加したミン・ボンジュ韓国原子力研究院の研究委員の指名もした。脱原発に向かうなら原発に対する各政党の公約などを綿密に確かめて投票することが何より大切だ。
原文: 訳T.W