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[社説]済州島クロムビ岩爆破は道民に対する宣戦布告だ

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/522433.html記事登録:2012/03/07 19:10 (1327字)

 昨日明け方、済州(チェジュ)の江汀地区で非常サイレンが鳴った。住民たちは悲壮だったし、警察は緊張した。結局クロムビ岩の方から轟音が鳴った。住民たちは号泣した。30万~10万年前に形成された江汀地区のクロムビ岩はそのように破壊され始め、済州世界地質公園の地肌は裂けていった。いったい何の権利があって! 江汀地区の住民ではなくても怒りが込み上げる。
 1947年3月、住民たちの3・1記念日のデモに対する警察の発砲は翌年4・3抗争にひろがった。その時半島から渡っていった軍隊は済州道民を相手に討伐作戦を行い、26万の住民のうち1万4000人余りが犠牲になった。それから65年後、江汀地区の3月は火炎で覆われる。警察600人余りが住民1000人余りに対立。2年余りで300人余りが、そして今年だけで109人が連行されたので、爆破音が4・3抗争の悪夢をほうふつさせるのは当然だ。
 済州道海岸の溶岩は特別でない。195kmの海岸線の大部分が玄武岩だ。しかし江汀地区のクロムビ岩のように長さ1.2km、幅250mの岩の集まりで形成されていたり、20個所余りから湧き水が上がって岩湿地帯を成し遂げる例は珍しい。海洋生態系の保護区域や天然記念物保護区域に指定されているのはそのためだ。だが生態学的な保存価値が高いからといって、クロムビ岩の爆破を道民に対する宣戦布告と見なすのではない。国家に対して持ってきた住民たちの最後の信頼と期待が裏切られたことによるものだ。クロムビ爆破で限界に達した。
 数日前、済州道知事と道議会議長、そして済州道のセヌリ党と民主統合党の代表が海軍に工事の一時停止を要請したのはこのような理由だった。政治的でも行政的に済州道民を代表する彼らの設計に対する公正な再検証を要求する最後の呼び掛けであった。しかし海軍は一言の下に一蹴し、警察はすぐその日の夕方に海軍の爆破申請を許可した。昨日、済州道知事は工事中止を要請する公文書を送って、工事現場の埋めたて免許の停止を予告した。全面戦を警告したものだった。戦いはすでに中央政府と済州道全体の間に拡大している。済州の春は再び荒波の中に陥っている。
 国家安保は国民的支持と協力の中で守られる。 政府は国土防衛と海上交通路保護のために避けられないと言うが、海軍基地が国土の紛争の危険性を増加させるだけだという主張も強い。十分に忍耐心を持って討論して合意を導き出すべきことだ。クロムビ岩から撤収することを望む。衝突のすべての責任は李政府にある。

原文: 訳T.W