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[社説]脱北者問題は確固たる原則と目標が必要

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/521734.html記事登録:2012/03/02 19:09(1356字)
 昨日キム・ソンファン外交部長官と訪韓中の中国のヤンジェツ外交部長が脱北者問題について長時間話したという。それだけこの問題が両国間の主要な懸案として持ち上がっているという話だ。脱北者問題は最近30人余りの在中の脱北者の強制送還の話が関心を呼んだ後はややもすると両国間のあつれきとして飛び火する兆しまで見せている。これは両国ともに実益がなく、本来助けてもらわねばならない脱北者をさらに難しい境遇に追い込むという点から心配される。  わが政府は1999年に韓国行を望む脱北者は全員受け入れるという立場を明らかにしながら脱北は誘導せず、吸収統一も追求しないという原則を明らかにしたことがある。2004年には本人の意思に反する強制的な北への送還に反対するという内容まで盛り込んだ、脱北者問題解決のための原則を発表した。この原則により、これまで中国と非公式協議を通じて比較的に大きな摩擦なしに数千名の脱北者を韓国に連れてくることができた。
 ところが李明博政府になってこのような原則が崩れ、韓国に入国する脱北者数も数百人に減った。昨年には中国が脱北者の第3国出国をそもそも遮断したと分かった。最近、脱北者問題が劇的に目立ってきた裏にはこのような事情がある。脱北者の韓国行きなどが急減したことは脱北者数も相対的に減って、北朝鮮-中国の関係緊密化という事情のせいもあるだろうが、南北関係の梗塞と、それと関係する危うげな韓-中関係が決定的な影響を及ぼしたと専門家たちは指摘する。北の崩壊とそれによる大量難民事態を憂慮する中国は北の崩壊と吸収統一を狙ったと見られる李明博政府の対北政策と民間の脱北者対策を警戒して‘静かな外交’の時のような協力を拒否していると言われる。このような問題をそのままにして‘積極的外交’に切り替えることはかえって問題をより一層悪化させかねない。脱北者問題に対する既存原則を崩してしまい新しい原則をたてることもしない曖昧な状態で脱北者を送還してはならないという主張に押されて行けば問題はより一層難しくなってその被害は脱北者がそっくり被ることになる。まず脱北者問題解決の原則と目標を明確に定めなければならない。
 中国は脱北者の中で第3国行きを希望する難民は北に強制送還せずに国際協約どおりの待遇をしなければならない。すべての脱北者を不法越境者と主張するのはおかしい。彼らの中から難民申請者を選び出して国際協約どおり処理しなければならない。また脱北者の誰もが難民申請をするのを止めることもしてはならない。
原文: 訳T.W