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[社説]済州の海軍基地建設を強行するのか

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/521363.html原文入力:2012/02/29 19:14(1204字)
 政府がこのほど国家政策調整会議を開いて済州(チェジュ)海軍基地建設をついに強行するという最終方針を明らかにした。これは22日に李明博大統領が就任4周年の特別記者会見で基地建設反対を "選挙中の戦略" として批判して、建設を強行する意思を明らかにした際にすでに予告されていた。その3日前に総理室主管の技術検証委員会が指摘した設計上の問題点などについて国防部が全くないと話した時から予想されたことだ。 結局、当初の技術検証委員会の検証は要式行為に過ぎなかったわけだ。技術検証委員会の設立を勧告して今年の済州海軍基地建設の予算のほぼ全額を削減した国会の対応も効力のないものになってしまった。
 技術検証委は港湾設計の最大風速、出入りする船舶が横から受ける風の圧力(横風圧)や港路の角度(航路法線)、シミュレーションによる運航難易度が6~7度の高難度(等級基準1~7)として表れた、西側防波堤などで確認された問題を具体的に指摘した。これは昨年9月に済州道当局が提起した設計上の問題を相当部分認めたものだった。それでも設立段階から疑惑にわいた技術検証委は "現在の設計を大きく変更しない範囲" という限度をあらかじめ決めて、問題になった要素を調べるシミュレーションを再び行う必要があるという答申だけ行った。しかし結果的に変わったものはほとんどない。
 建設を反対する側は当然、政府方針の受け入れを認めない立場を改めて明らかにした。実際の状況に合わない条件を想定したシミュレーションの結果を基にした政府の発表に、具体的根拠を突きつけて、強い不信感を露にした。わずかな設計変更では、15万t級の大型クルーズ船どころか大型軍艦の出入りさえ危険だと彼らは主張する。
 このような設計上の欠陥の他に住民意見の取りまとめの手続きや絶対保全区域用途変更にも問題がある。政府は観光地と軍港が一緒にある外国の事例を挙げるが、一つの地域に軍港と民間港がついている場合はあっても済州基地のように軍港の中に大型の民間埠頭施設が一緒にある例はないという。そして安保問題上敏感な地域に建てられる基地はかえって安保不安を増大させるという戦略次元の批判に対する検討もない。
 住民投票または4月の総選挙を済州海軍基地建設に対する世論を確認する機会にしようという主張もあるが、政府は聞く素振りもしない。このように急ぐ理由が何なのか気になる。現政権の任期中にひとまず建設を既成事実化しておこうという戦略ならば間違いだ。このような形の問題だらけの拙速な処理はかえって後々、より大きな怒りを誘うだろう。
原文: 訳T.W