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[社説]朴正熙記念館、独裁喚起させるな

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/520088.html記事登録:2012/02/21 19:02(1203字)
  大韓民国の既得権層が日帝下の親日・買弁勢力から独裁体制保護勢力につながる血統を持っているということは不幸なことだ。この致命的な弱点を糊塗するために、彼らは絶えず反共・冷戦イデオロギーと抑圧体制を強化しなければならなかったし、歴史と事実を捏造して学問を歪曲しなければならなかった。昨日開館した朴正熙記念館はまさに彼らの念願事業だった。記憶を歪曲しようとする彼らの努力はそれほど執拗だった。
 現職から退いた大統領に従う者たちが記念館を作って、各種展示を通して彼の業績などを紹介しようととすることは非難されるべきでない。試行錯誤を警戒して政治功績は継承する意味深い教育の場にもなりえる。このような趣旨から金大中図書館はすでに設立されたし、盧武鉉前大統領の記念館も推進中だ。独裁者だからといって朴正熙記念館自体を批判はできない。
 問題はそこに展示される記念品の内容だ。ひとえに真実の原則に従わなければならないが、最小限、一方的な美化と称賛のための歪曲はあってはならない。歪曲の殿堂になってはならないという点から、朴正熙記念館は最初からボタンを掛け間違っていた。政治功績だけを抜粋、誇張して軍事クーデターや維新独裁を結果的に美化しているのだ。記念事業会の言う通り1960~70年代を分からない若い世代がこの展示だけ見ると、朴正熙は民族中興と近代化の先駆者としてだけ思い込まされやすい。今年夏に開館するという図書館もやはり個人の所蔵品や閣僚会議案件、親筆指示などを収集・整理するというから、朴正熙美化につきるにすぎない。このような歪曲の殿堂を作るのに国民の血税と市民の財産が投入されたということに戸惑うしだいだ。
 遺産や追従者の寄付で建てられた記念館ならば、美化あるいは称賛をする場合はそれに対する評価は私用ですべきだろう。だが、同館には政府予算が178億ウォンも投入されて、貴重な敷地5260㎡はソウル市が無償貸与した土地だ。500億ウォンは全経連が会員会社から寄付を受けたとしても、このお金もやはり厳格に言えば各企業の数多くの株主の財産だ。公共の財産である。 記念事業会がソウル市に寄付進呈することにしたのもそのような理由からだったろう。それなら展示内容はすぐにそのような公共性に見合わなければならない。
 市民は血税が独裁者の亡霊を蘇えさせるのに利用されることは望まない。国民の基本権を蹂躪して、民主主義を破壊して、親日買弁・独裁追従勢力が再び権力を握るのに利用されるのも願わない。政府やソウル市は記念館が歪曲の全党(殿堂)にならないように責任と義務を果たさなければならない。
原文: 訳T.W