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[社説]金正恩時代、南北主導の新しい関係のきっかけに

原文入力:2011/12/28 19:24(1088字)
 昨日告別式が無事に行われたことによって、金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長の突然の死亡発表から続いていた北の危機状況とそれによる韓半島緊張事態も峠を越した。幸いなことだ。板門店(パンムンジョム)など南北の境界地域はこの10日間、衝突どころか行き詰った局面にしては意外といえるほど平穏だった。北も南も大きな混乱はなく比較的に落ち着いて対処していた。これは17年前の険悪だった‘弔問騒動’の時に比べればレベルアップした成熟ぶりだ。
 あの時の教訓を生かして不必要な葛藤を避けた政府の措置は評価に値する。市民団体も、‘弔問政局’を対北朝鮮政策と南北関係を変える材料として積極的に活用できない政府の限界を批判したが、対決することは自粛した。北もやはり南側の政府に不満を表しはしたがそれ以上の対決は避けた。北朝鮮を訪れた弔問団も、南側の人々としては北側の新しい後継者に初めて対面するなど北朝鮮から手厚い待遇を受けた。このような状況を総合すれば、今回の弔問の政局が今後の南北関係の新しい可能性を見通せるようにしたという解釈が可能かも知れない。だが現実はそれほど楽観的でない。南北間の不信の壁が今回のことで簡単に崩れるはずもなく、周辺国を経由しなくてはまともに会うことさえできない断絶状況が続いている。金正恩(キム・ジョンウン)体制の将来は依然、不透明で南側の政治状況も流動的だ。
 今回の事態を通じて民族全体の命運を左右する切迫した事態が発生しても南側が用いられる現実的手段が何もないということが再確認された。比較的に平穏で安定なのも、朝鮮半島の急変事態を望まない周辺の強大国の明示的・暗黙的の合意おかげであることを否めない。言い替えれば周辺強大国は朝鮮半島の現状維持を願っている。このような状況では北の体制崩壊と吸収統一に対する期待もはかない夢だ。南北が力を合わせて主導的にこの現状を変えていかない限り、私たちはこの分断と対決の消耗戦的な民族共倒れの状態から抜け出すことはできない。既存の同盟依存の一辺倒では、陣営対決の構図を固めるだけで私たちの立つ瀬をより一層狭めるだろう。
 このような限界状況から抜け出すには南北が自ら先がけて変わらなければならない。今回の弔問の政局で私たちはその可能性の一端をのぞくことができた。まず南北が会わなければならず、経済協力も観光も核問題もそうしてこそ解決の糸口を見つけることができる。6者会談も南北が先に突き進まなければならない。周辺国にだけ頼っていてはならない。
原文:https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/512277.html 訳:TW